第13話「血の繋がり」【前編】
【シーン:森の中・薄明かりのなか】
銃声の余韻が、まだ空気に残っている。
倒れたジュンソク。
崩れ落ちたドフン。
そして、
ヨンジュンとセリナは、
ただ静かに、立ち尽くしていた。
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ヨンジュンは、
ジュンソクにゆっくりと近づいた。
兄弟――
同じ血を持つ者。
だが、その道はあまりにも違った。
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【シーン:ジュンソクの呻き】
ジュンソクは、
肩から流れる血を押さえながら、
かすれた声で笑った。
「……やっぱり、
お前は僕を……捨てるんだな。」
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ヨンジュンは、拳を握り締めた。
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「捨てたんじゃない。」
「お前が、自分で……
この道を選んだんだ。」
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【シーン:幼き日の記憶】
ふと、脳裏に浮かんだのは、
まだ幼い頃の記憶。
薄汚れた孤児院の片隅。
互いに背中を預けて、寒さに震えていた夜。
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(あの頃――
俺たちは、たしかに兄弟だった。)
(ただ、生き延びたかっただけだった。)
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だが、運命は二人を引き裂いた。
欲望。
嫉妬。
愛憎。
すべてが、
この血の宿命に絡みついていた。
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【シーン:ジュンソクの告白】
ジュンソクは、
血に染まった指先で、
ポケットから何かを取り出した。
――写真。
幼い頃、ヨンジュンとジュンソクが並んで笑っている、一枚の写真だった。
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「……僕たちは、
ずっと一緒だったはずなんだ。」
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「なのに、
お前だけが、選ばれた。」
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【シーン:ヨンジュンの静かな答え】
ヨンジュンは、
その写真を見下ろし、
小さく目を閉じた。
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「違う。」
「俺たちは、最初から、選ばれたことなんてない。」
「誰も、俺たちを救ってなんかくれなかった。」
「だから、俺は――」
「自分の手で、守るって決めたんだ。」
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【シーン:セリナの祈り】
その後ろで、
セリナは手を握りしめながら、
そっと祈っていた。
(どうか、
この二人の魂が、救われますように――)
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森の中。
静かに、夜が明けていく。
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(続く・中編へ)




