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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第13話「血の繋がり」【前編】

【シーン:森の中・薄明かりのなか】


銃声の余韻が、まだ空気に残っている。


倒れたジュンソク。

崩れ落ちたドフン。


そして、

ヨンジュンとセリナは、

ただ静かに、立ち尽くしていた。


**


ヨンジュンは、

ジュンソクにゆっくりと近づいた。


兄弟――

同じ血を持つ者。


だが、その道はあまりにも違った。


**


【シーン:ジュンソクの呻き】


ジュンソクは、

肩から流れる血を押さえながら、

かすれた声で笑った。


「……やっぱり、

 お前は僕を……捨てるんだな。」


**


ヨンジュンは、拳を握り締めた。


**


「捨てたんじゃない。」


「お前が、自分で……

 この道を選んだんだ。」


**


【シーン:幼き日の記憶】


ふと、脳裏に浮かんだのは、

まだ幼い頃の記憶。


薄汚れた孤児院の片隅。

互いに背中を預けて、寒さに震えていた夜。


**


(あの頃――

 俺たちは、たしかに兄弟だった。)


(ただ、生き延びたかっただけだった。)


**


だが、運命は二人を引き裂いた。


欲望。

嫉妬。

愛憎。


すべてが、

この血の宿命に絡みついていた。


**


【シーン:ジュンソクの告白】


ジュンソクは、

血に染まった指先で、

ポケットから何かを取り出した。


――写真。


幼い頃、ヨンジュンとジュンソクが並んで笑っている、一枚の写真だった。


**


「……僕たちは、

 ずっと一緒だったはずなんだ。」


**


「なのに、

 お前だけが、選ばれた。」


**


【シーン:ヨンジュンの静かな答え】


ヨンジュンは、

その写真を見下ろし、

小さく目を閉じた。


**


「違う。」


「俺たちは、最初から、選ばれたことなんてない。」


「誰も、俺たちを救ってなんかくれなかった。」


「だから、俺は――」


「自分の手で、守るって決めたんだ。」


**


【シーン:セリナの祈り】


その後ろで、

セリナは手を握りしめながら、

そっと祈っていた。


(どうか、

 この二人の魂が、救われますように――)


**


森の中。


静かに、夜が明けていく。



(続く・中編へ)

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