第12話「消された過去」【後編】
【シーン:森の中・対峙】
ジュンソクの冷たい言葉が、
森の静寂を切り裂いた。
「それでも――
愛せるのか?」
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ヨンジュンは、
セリナをしっかりと抱きしめたまま、
じっとジュンソクを見返した。
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セリナは、
震える声で、ヨンジュンに囁いた。
「……ごめんなさい。」
「私、あなたを……騙してたんだよね。」
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違う。
ヨンジュンは、
胸の奥で強く否定した。
セリナは、何も知らなかった。
罪など、ない。
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【シーン:ヨンジュンの決意】
ヨンジュンは、
ゆっくりとセリナの肩を掴んで、
彼女の目を覗き込んだ。
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「セリナ。」
「お前が、どこで生まれたとか、
誰に利用されたとか――
そんなこと、どうでもいい。」
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「今、俺の前にいるのは、
お前だ。」
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「俺が守りたいのは――
ただ、それだけだ。」
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【シーン:セリナの涙】
セリナは、
堪えきれずに泣き出した。
ぼろぼろと、
止めどなく涙を流しながら、
ヨンジュンにしがみついた。
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(私は、生まれてきてよかったんだ。)
(私は、
ここにいていいんだ――!)
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【シーン:ジュンソクの狂気】
それを見たジュンソクは、
顔を引きつらせた。
「ふざけるな……!」
「そんなはずない!」
「お前たちは、間違ってる!」
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ジュンソクは、
銃を取り出し、
ヨンジュンに向けた。
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「僕だけが……
本物だったんだ!」
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引き金に、指がかかる。
ヨンジュンは、
セリナをかばうように、
彼女を背後に押し下げた。
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(撃たれる……)
(でも、構わない。)
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その瞬間――
乾いた銃声が、森に響いた。
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【シーン:静寂】
……だが、撃たれたのは、
ヨンジュンでも、セリナでもなかった。
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ジュンソクの肩に、
鮮血が飛び散る。
背後に立っていたのは――
パク・ドフンだった。
瀕死の体で、
必死に、銃を構えていた。
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「間に……合った……」
ドフンは、静かに微笑んで、
その場に崩れ落ちた。
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【シーン:崩れた狂気】
肩を押さえ、
地面に膝をつくジュンソク。
狂気に染まったその瞳に、
もはや力はなかった。
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【シーン:救い】
ヨンジュンは、
セリナを強く抱きしめた。
もう、
誰にも渡さない。
誰にも壊させない。
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彼女の命も、
彼女の未来も――
すべて、この手で守る。
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【第12話 完】




