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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第12話「消された過去」【後編】

【シーン:森の中・対峙】


ジュンソクの冷たい言葉が、

森の静寂を切り裂いた。


「それでも――

 愛せるのか?」


**


ヨンジュンは、

セリナをしっかりと抱きしめたまま、

じっとジュンソクを見返した。


**


セリナは、

震える声で、ヨンジュンに囁いた。


「……ごめんなさい。」


「私、あなたを……騙してたんだよね。」


**


違う。


ヨンジュンは、

胸の奥で強く否定した。


セリナは、何も知らなかった。

罪など、ない。


**


【シーン:ヨンジュンの決意】


ヨンジュンは、

ゆっくりとセリナの肩を掴んで、

彼女の目を覗き込んだ。


**


「セリナ。」


「お前が、どこで生まれたとか、

 誰に利用されたとか――

 そんなこと、どうでもいい。」


**


「今、俺の前にいるのは、

 お前だ。」


**


「俺が守りたいのは――

 ただ、それだけだ。」


**


【シーン:セリナの涙】


セリナは、

堪えきれずに泣き出した。


ぼろぼろと、

止めどなく涙を流しながら、

ヨンジュンにしがみついた。


**


(私は、生まれてきてよかったんだ。)


(私は、

 ここにいていいんだ――!)


**


【シーン:ジュンソクの狂気】


それを見たジュンソクは、

顔を引きつらせた。


「ふざけるな……!」


「そんなはずない!」


「お前たちは、間違ってる!」


**


ジュンソクは、

銃を取り出し、

ヨンジュンに向けた。


**


「僕だけが……

 本物だったんだ!」


**


引き金に、指がかかる。


ヨンジュンは、

セリナをかばうように、

彼女を背後に押し下げた。


**


(撃たれる……)


(でも、構わない。)


**


その瞬間――


乾いた銃声が、森に響いた。


**


【シーン:静寂】


……だが、撃たれたのは、

ヨンジュンでも、セリナでもなかった。


**


ジュンソクの肩に、

鮮血が飛び散る。


背後に立っていたのは――


パク・ドフンだった。


瀕死の体で、

必死に、銃を構えていた。


**


「間に……合った……」


ドフンは、静かに微笑んで、

その場に崩れ落ちた。


**


【シーン:崩れた狂気】


肩を押さえ、

地面に膝をつくジュンソク。


狂気に染まったその瞳に、

もはや力はなかった。


**


【シーン:救い】


ヨンジュンは、

セリナを強く抱きしめた。


もう、

誰にも渡さない。


誰にも壊させない。


**


彼女の命も、

彼女の未来も――


すべて、この手で守る。



【第12話 完】

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