第12話「消された過去」【中編】
【シーン:森の中・薄明】
木々の隙間から、
うっすらと朝の光が差し込んでいた。
セリナは膝をつき、
震える手で胸を押さえていた。
蘇る断片的な記憶。
それはあまりにも、残酷だった。
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(私……捨てられた?)
(生まれた時から……)
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目の前がぐらりと歪む。
だが、その時。
セリナの手を、誰かが強く掴んだ。
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【シーン:ヨンジュンの到着】
「――セリナ!」
ヨンジュンだった。
ボロボロになりながら、
必死に彼女を探し、たどり着いた。
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セリナは、ぼんやりと彼を見た。
「……ヨンジュン……?」
震える声。
ヨンジュンは何も言わず、
彼女を抱きしめた。
全身で、彼女の痛みを受け止めるように。
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【シーン:ジュンソクの介入】
だが――
その背後に、黒い影が迫っていた。
カン・ジュンソク。
狂ったような笑みを浮かべながら、
二人を見下ろす。
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「おめでとう、ヨンジュン。」
「やっと”真実”に辿り着いたんだね。」
「でも、知ってる?」
「その真実が、どれだけ”汚れている”か。」
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【シーン:USBメモリの開示】
ジュンソクは、
ポケットからUSBメモリを取り出した。
そして、それを投げる。
地面に転がったそれを、
ヨンジュンは拾い上げた。
中には――
“セリナの出生記録”。
そこには、衝撃の事実が記されていた。
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【衝撃の内容】
・ハン・セリナは、ハン家の正統な娘ではない。
・彼女は、本来抹消されるはずだった”不要な存在”だった。
・ハン家が”後継者”に仕立て上げるために、偽装された存在だった。
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ヨンジュンの血の気が引く。
セリナは――
生まれた瞬間から、利用されるためだけに存在させられたのだ。
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【シーン:セリナの絶望】
セリナは、
資料を読みながら、青ざめた。
「……私、
本当に……誰にも、必要とされてなかったんだね……」
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ぽろぽろと、涙が零れる。
ヨンジュンは、
ただセリナを抱きしめるしかなかった。
何の言葉も、
彼女を救えなかった。
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【シーン:ジュンソクの嘲笑】
ジュンソクは、
そんな二人を見下ろしながら、ゆっくりと告げた。
「これが、君たちが守ろうとしたものだよ。」
「どうする?ヨンジュン。
それでも――
この女を愛せるのか?」
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問いかけは、
鋭いナイフのように、
二人の胸を深く抉った。
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(続く・後編へ)




