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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第12話「消された過去」【中編】

【シーン:森の中・薄明】


木々の隙間から、

うっすらと朝の光が差し込んでいた。


セリナは膝をつき、

震える手で胸を押さえていた。


蘇る断片的な記憶。

それはあまりにも、残酷だった。


**


(私……捨てられた?)


(生まれた時から……)


**


目の前がぐらりと歪む。


だが、その時。


セリナの手を、誰かが強く掴んだ。


**


【シーン:ヨンジュンの到着】


「――セリナ!」


ヨンジュンだった。


ボロボロになりながら、

必死に彼女を探し、たどり着いた。


**


セリナは、ぼんやりと彼を見た。


「……ヨンジュン……?」


震える声。


ヨンジュンは何も言わず、

彼女を抱きしめた。


全身で、彼女の痛みを受け止めるように。


**


【シーン:ジュンソクの介入】


だが――


その背後に、黒い影が迫っていた。


カン・ジュンソク。


狂ったような笑みを浮かべながら、

二人を見下ろす。


**


「おめでとう、ヨンジュン。」


「やっと”真実”に辿り着いたんだね。」


「でも、知ってる?」


「その真実が、どれだけ”汚れている”か。」


**


【シーン:USBメモリの開示】


ジュンソクは、

ポケットからUSBメモリを取り出した。


そして、それを投げる。


地面に転がったそれを、

ヨンジュンは拾い上げた。


中には――


“セリナの出生記録”。


そこには、衝撃の事実が記されていた。


**


【衝撃の内容】


・ハン・セリナは、ハン家の正統な娘ではない。

・彼女は、本来抹消されるはずだった”不要な存在”だった。

・ハン家が”後継者”に仕立て上げるために、偽装された存在だった。


**


ヨンジュンの血の気が引く。


セリナは――

生まれた瞬間から、利用されるためだけに存在させられたのだ。


**


【シーン:セリナの絶望】


セリナは、

資料を読みながら、青ざめた。


「……私、

 本当に……誰にも、必要とされてなかったんだね……」


**


ぽろぽろと、涙が零れる。


ヨンジュンは、

ただセリナを抱きしめるしかなかった。


何の言葉も、

彼女を救えなかった。


**


【シーン:ジュンソクの嘲笑】


ジュンソクは、

そんな二人を見下ろしながら、ゆっくりと告げた。


「これが、君たちが守ろうとしたものだよ。」


「どうする?ヨンジュン。

 それでも――

 この女を愛せるのか?」


**


問いかけは、

鋭いナイフのように、

二人の胸を深く抉った。



(続く・後編へ)

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