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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第12話「消された過去」【前編】

【シーン:森の中・夜明け前】


セリナは、

濡れた森の中を必死に走っていた。


ドフンに助けられ、

かろうじてその場から逃げ出したものの、

行くあてもない。


ただ、ヨンジュンのもとへ帰るために――

それだけを胸に走り続けていた。


**


(生きろ。)


(生きるんだ、セリナ。)


**


ヨンジュンの言葉が、

心の奥深くで繰り返される。


それだけが、彼女を支えていた。


**


【シーン:ヨンジュンの追跡】


一方、

ヨンジュンはバンを捨て、

単身で森の中へ走っていた。


セリナを取り戻すため。


たとえ罠でも、

たとえ全てを失っても。


**


(もう、誰も……)


(俺の大切なものを、奪わせない。)


**


【シーン:封印された過去】


そのころ。


遠く離れたハン家本邸では、

ギョンシクが一枚の古びた資料を広げていた。


**


そこに記されていたのは――


ジン・ヨンジュンの本当の出自。


そして、

ハン・セリナに隠されていた、

忌まわしい真実。


**


(これを明るみに出せば、

 二人は二度と手を取り合えない。)


ギョンシクは、にやりと笑った。


**


【シーン:ジュンソクの動き】


さらに、

ジュンソクもまた、動き始めていた。


彼の手には、

【秘密のUSBメモリ】が握られている。


そこには――


セリナの”出生の秘密”が、

克明に記録されていた。


**


「さあ、見せてやろう。」


「お前たちが、

 本当に許されない存在だってことを。」


**


【シーン:セリナの記憶の断片】


森の中を走るセリナの脳裏に、

不意にフラッシュバックする映像。


**


暗い部屋。

誰かの泣き声。

赤ん坊の、かすかな産声。


――そして、

鋭い怒声。


『この子は、必要ない。』


『始末しろ。』


**


セリナは足を止め、

その場に崩れ落ちた。


息ができない。


(何……?)


(今のは――何?)


**


彼女自身が知らなかった、

“自分の生まれた瞬間”の記憶。


それが、

じわじわと目を覚まし始めていた。



(続く・中編へ)

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