第11話「裏切りの予感」【前編】
【シーン:廃倉庫・翌朝】
朝の光が、
割れた窓から差し込んでいた。
ヨンジュンとセリナは、
互いに寄り添いながら、
静かに朝を迎えた。
昨日の夜。
交わした、“背徳のキス”。
あの一瞬で、
二人は深く結びついた。
**
だが――
安息は、長くは続かなかった。
**
【シーン:ドフンからの連絡】
ヨンジュンのポケットで、
携帯が小さく震えた。
表示された名前。
【パク・ドフン】
かつて、
何よりも信じた”親友”。
今は――裏切り者。
**
ヨンジュンは眉をひそめながら、
通話ボタンを押した。
**
「……ヨンジュン。
今すぐ、逃げろ。」
ドフンの声は、低く、震えていた。
**
「ハン家が、
君たちの居場所を突き止めた。」
**
「ギョンシクだけじゃない。
ジュンソクも……動いてる。」
**
ヨンジュンは、
拳をぎゅっと握り締めた。
**
【シーン:信じるか、疑うか】
ドフンの情報は、
これまで何度もヨンジュンを救ってきた。
だが、同時に。
ドフンは、ヨンジュンを裏切った張本人でもある。
(信じるべきか――
それとも、罠か。)
**
隣で、セリナが不安げにヨンジュンを見上げる。
ヨンジュンは、
心を決めた。
**
「……動くぞ。」
「ここにいたら、確実に終わる。」
**
【シーン:脱出準備】
ヨンジュンとセリナは、
急いで荷物をまとめた。
それは、
二人だけの逃避行の終わりを告げる準備でもあった。
**
(どこまで逃げても、
どこまで抗っても、)
(俺たちは――
許されない。)
**
【シーン:影の動き】
その頃。
ギョンシクとジュンソクは、
すでに”新たな策”を張り巡らせていた。
**
ギョンシクはにやりと笑い、
一枚の写真を机に投げた。
そこには――
ヨンジュンと、
血まみれのセリナの過去。
**
「裏切り者は、
いつだって、一番近くにいる。」
ギョンシクの冷たい声が、
部屋に響いた。
**
嵐は、もうそこまで来ている。
⸻
(続く・中編へ)




