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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第10話「背徳のキス」【後編】

【シーン:廃倉庫・静寂のあと】


唇を離したあと。


ヨンジュンとセリナは、

互いに何も言わず、ただ見つめ合っていた。


重なった温もり。

響き合う鼓動。


それだけが、

今、二人を繋いでいた。


**


【シーン:セリナの涙】


セリナの瞳から、

またひとすじ、涙が流れた。


「……怖かった。」


ぽつりと、零れる言葉。


**


「誰も信じられなくて、

 何も思い出せなくて……

 それでも、あなたの声だけは、忘れなかった。」


**


ヨンジュンは、

胸が締め付けられるような痛みを感じた。


(俺は……)


(君に、何をしてきた?)


**


【シーン:ヨンジュンの告白未遂】


ヨンジュンは、

言いかけた。


――本当は、最初から君を利用するつもりだったんだ。


――でも、今は違う。


**


だが、

言葉にはできなかった。


今、これを告げたら、

彼女の小さな希望を

すべて壊してしまう気がしたから。


**


だから、

ヨンジュンはただ、静かにセリナを抱きしめた。


何も、言わずに。


**


【シーン:ジュンソクの狂気】


そのころ、廃倉庫の外。


ジュンソクは、

不気味な笑みを浮かべながら、

手にある【古びたUSBメモリ】を弄んでいた。


そこには――


セリナとハン家に関する、

決定的な秘密が記録されていた。


**


「さて……」


「君たちの”愛”、

 僕が全部、

 引き裂いてあげる。」


**


闇の中。

ジュンソクはゆっくりと消えていった。


破滅の鐘の音を、静かに鳴らしながら。


**


【シーン:新たな夜明け】


夜が明ける。


東の空が、

少しだけ、白み始めていた。


ヨンジュンとセリナは、

互いに寄り添ったまま、

静かに新しい朝を迎えた。


**


だけど――


まだ、

本当の試練は、これからだった。



【第10話 完】

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