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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第10話「背徳のキス」【中編】

【シーン:廃倉庫・焚き火のそば】


触れた唇。


わずかな温もり。


セリナは、

ヨンジュンの手のひらをそっと掴んだ。


震える指先。


けれど、その震えは、

恐怖ではなかった。


**


(――あたたかい。)


(この人だけが、

 今の私の、すべて。)


**


ヨンジュンもまた、

セリナを抱き寄せた。


ぎこちなく、

でも確かに、

決して離れないように。


**


【シーン:許されない感情】


だが、ヨンジュンの胸には、

どうしようもない罪悪感が渦巻いていた。


(俺は……)


(君に近づいたのは、復讐のためだった。)


(それなのに――)


**


セリナの涙に濡れた頬を、

そっと指でなぞる。


彼女の小さな体温が、

ヨンジュンの冷えきった心を、

じわじわと溶かしていく。


**


【シーン:交わされる誓い】


セリナは、小さな声で言った。


「もう、どこにも行かないで。」


震えながら、

必死に、すがるように。


**


ヨンジュンは、

その言葉に胸が締めつけられた。


けれど、彼は応えた。


「――絶対に、離さない。」


たとえ、

この先に地獄しかなかったとしても。


**


【シーン:遠くからの監視】


だが――

廃倉庫の外。


闇の中に潜む黒い影。


ジュンソク。


狂気に染まった彼の目が、

二人のすべてを見ていた。


**


「ふふ……」


ジュンソクは、かすかに笑った。


「ようやく、君も”僕と同じ”になったな、ヨンジュン。」


**


愛と狂気。

守ることと壊すこと。


その境界線は、

すでに溶け合い始めていた。



(続く・後編へ)

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