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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第9話「秘密の肖像」【後編】

【シーン:逃走中のバイク】


風を切る音。

唸るエンジン。


ヨンジュンは、セリナを抱きかかえるようにして、

夜のハイウェイを走り抜けていた。


後ろからは、追撃する黒塗りの車。


銃弾が、闇を裂く。


**


【シーン:ヨンジュンの覚悟】


ハンドルを操りながら、

ヨンジュンは必死に考えた。


(このままじゃ、いずれ追いつかれる。)


(どこかで振り切るしかない。)


**


「セリナ!」


振り返らずに叫ぶ。


「しっかり俺に掴まってろ!」


セリナは、必死に彼の背にしがみついた。


**


【シーン:決死の賭け】


ヨンジュンは、高架下に続く細い脇道にハンドルを切った。


急カーブ。


後ろの車は速度を落とせず、コントロールを失う。


衝突音。

火花。


**


追っ手を撒いた瞬間、

ヨンジュンはバイクを一気に加速させた。


もう、誰にも邪魔はさせない。


たとえ、

この命が燃え尽きるとしても。


**


【シーン:安全地帯】


森の奥。


小さな廃倉庫に、バイクを滑り込ませる。


エンジンが止まると、

一気に静寂が訪れた。


**


セリナは、震えながらヨンジュンを見つめた。


「……あなた、どうして……こんなに……」


ヨンジュンは答えなかった。


ただ、そっと、彼女の髪を撫でた。


**


【シーン:セリナの涙】


セリナは、堪えきれずに泣き出した。


声を上げることもできず、

ただ静かに、涙を流し続けた。


ヨンジュンは、そんな彼女をそっと抱き寄せた。


言葉なんて、

今は何もいらなかった。


ただ――生きて、

ここに、二人でいる。


それだけで、奇跡だった。


**


【シーン:次なる兆し】


だが。


闇の中。

ジュンソクは、

遠くから二人を見下ろしていた。


笑っていた。


「……逃げても無駄だよ、ヨンジュン。」


「僕と君は、同じ血を引いているんだから。」


**


夜は、さらに深まる。


けれど二人の逃避行は、

まだ、終わらない。



【第9話 完】

セリナとヨンジュン、

互いを守りながら、ボロボロになりながらも、

“二人きり”の絆を確かめ合った。


そしてジュンソク――

影のように、着実に、二人に迫っている。

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