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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第9話「秘密の肖像」【中編】

【シーン:モーテル・夜】


暗い部屋の中。

セリナは、まだ小さな手で肖像画を抱えていた。


その目には、

こらえきれない涙が溢れていた。


**


(私は……誰なの?)


(ずっと、誰かの人形だったの?)


知らなかった過去。

奪われた未来。


すべてが、心に深い穴を穿っていく。


**


【シーン:ヨンジュンの覚悟】


ヨンジュンは、窓の外を警戒しながら、

静かに拳を握り締めた。


(時間がない。)


(ここを見つかったら、もう逃げ場はない。)


だが、それでも。


セリナをひとりにはできない。


**


「セリナ。」


呼びかけると、

セリナは、涙に濡れた瞳で彼を見た。


**


ヨンジュンは、そっと膝をつき、

彼女と同じ目線に合わせた。


そして――


「君が誰であろうと、

 俺にとっては、君だ。」


それだけを、

ありったけの真実で伝えた。


**


【シーン:突入】


その瞬間だった。


モーテルの扉が、

激しい音とともに破られた。


黒服たち。

銃を手にした追っ手たち。


――ハン家の手先。


そしてその中には、

ギョンシクが手配した刺客だけでなく、


ジュンソクの影も、混じっていた。


**


「セリナ嬢、こちらへ。」


誰かが冷たく命令する。


セリナは恐怖に震えた。


ヨンジュンはすぐに、

セリナを背後に庇った。


**


(絶対に、渡さない。)


**


【シーン:銃撃戦】


銃声。


閃光。


ヨンジュンは、身を挺してセリナを守りながら、

隙を突いて非常口へと駆け出した。


後ろから飛んでくる弾丸。


肩をかすめる痛み。


だが、止まらない。


**


(俺は、生きて君を守るって、決めたんだ。)


**


【シーン:脱出】


非常階段を駆け下りる。

錆びた鉄のきしみ音。


追っ手たちの怒声が、すぐそこまで迫っている。


だが、ヨンジュンは絶対にセリナの手を離さなかった。


たとえ、この命に代えても。


**


【シーン:逃走】


裏通りに停めてあったバイクに飛び乗り、

セリナを抱きかかえるようにして乗せる。


エンジンが咆哮を上げ、

夜の闇へと飛び込んだ。


背後には、追跡車両。


銃声。


怒号。


だが、前を見る。


ただ――前だけを見る。


**


たとえ、何があろうと。


必ず、

セリナを未来へ連れて行く。



(続く・後編へ)

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