表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮の契約  作者: ZEN
29/84

第9話「秘密の肖像」【前編】

【シーン:郊外・古びたモーテル】


車を走らせ、

ヨンジュンとセリナは、人目のつかない郊外のモーテルにたどり着いていた。


安っぽいネオン。

埃っぽい空気。


けれど今は、

ここが唯一、二人を守るシェルターだった。


**


【シーン:部屋の中】


二人きりの、小さな部屋。


セリナはベッドに腰を下ろし、

不安げにヨンジュンを見上げた。


「ここ……安全なの?」


ヨンジュンは頷く。


「今は、な。」


けれど、それは

永遠には続かないことを、

二人とも本能で分かっていた。


**


【シーン:セリナの疑問】


セリナは、ふと尋ねた。


「……私の過去って、

 一体、何だったの?」


ヨンジュンは言葉に詰まる。


本当のことを、どこまで話すべきか。


(今はまだ……すべては言えない。)


それでも。


少しずつでも、

彼女に「真実」を取り戻させなければならない。


**


【シーン:古い箱】


ヨンジュンは荷物の中から、

一つの古い箱を取り出した。


中に入っていたのは、

――一枚の肖像画。


幼い少女。

純白のドレスを着た、笑顔のセリナ。


だが、その背後には、

どこか冷たい影があった。


**


「これ……」


セリナは肖像画をそっと撫でた。


記憶にない。


でも、涙がこぼれた。


**


【シーン:ヨンジュンの決意】


ヨンジュンは静かに言った。


「君が育った世界は、

 最初から“檻”だった。」


「君の人生は、

 君のために用意されたものじゃない。」


セリナは、震えた。


恐怖ではない。


失われた過去に対する、

言いようのない悲しみ。


**


【シーン:迫る影】


そのとき、

モーテルの外で、

一台の黒い車が止まった。


暗闇の中。

誰かが、こちらを見つめていた。


**


運命は、まだ二人を許さない。



(続く・中編へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ