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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第6話「告げられた真実」【中編】

【シーン:黒い車・車内】


エンジンの低い唸りだけが、車内に響く。


隣に座るセリナは、

不安そうにヨンジュンを見つめていた。


けれど、彼の横顔は、いつも以上に無表情だった。


**


「……どこへ向かっているの?」


ようやく、セリナが尋ねた。


ヨンジュンは前を向いたまま、低く答える。


「安全な場所へ。」


それだけ。


**


【シーン:ヨンジュンの心中】


(……本当に、それだけか?)


心の中で自分に問いかける。


セリナに”真実”を見せること。

それは同時に、

自分の計画にも、大きなリスクを生む行為だった。


だが――もう、止まれなかった。


(知ってしまった以上、あいつは、もう戻れない。)


(俺も、だ。)


**


【シーン:到着・秘密のアジト】


車は郊外の古びた洋館の前で止まった。


かつて、ジン・ヨンジュンの父が秘密裏に所有していた別荘跡地。

今は誰にも知られていない、孤独な場所。


**


「降りてください。」


ヨンジュンはセリナにドアを開けた。


二人で歩く、ひび割れた石畳。

かすかな草の匂い。


セリナの胸に、

なぜか懐かしい痛みがこみ上げた。


**


【シーン:洋館・秘密の部屋】


ヨンジュンは、埃まみれの書棚を押し、

隠された地下への階段を開く。


セリナは驚き、戸惑いながらも、

彼のあとを追った。


薄暗い地下室。


その中央に置かれた、大きな金庫。


ヨンジュンは無言でナンバーを入力し、

ゆっくりと扉を開いた。


**


中には、

黄ばんだ書類の束。

数枚の古い写真。


そして──


一冊の手帳。


**


ヨンジュンは、それを取り出し、

セリナに手渡した。


「……これを、読んでください。」


**


セリナは震える指で、

手帳の表紙を撫でた。


そこには、

こう書かれていた。


【ジン・ドヒョン 私的記録】


彼女には、まだ分からない。


これが、

世界のすべてを変える“真実”であることを。



(続く・後編へ)

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