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第5話「すれ違う運命」【中編】
【シーン:迎賓館・庭園】
昼下がり。
広大な庭園を、セリナはひとり歩いていた。
小鳥のさえずり。
優しい風。
それなのに、心は沈んでいた。
(どうして、こんなに胸が苦しいんだろう。)
歩きながら、
無意識にヨンジュンを探してしまう。
だが──彼の姿はない。
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【シーン:ヨンジュンの遠ざかり】
ヨンジュンは、あえてセリナを避けていた。
仕事を理由に、
必要最低限の接触だけで済ませるようにしている。
(それでいい。)
(これ以上、あの瞳に囚われてはならない。)
自分に言い聞かせるたびに、
心が軋む。
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【シーン:セリナの小さな決意】
庭園のベンチに腰掛け、
セリナはそっと拳を握った。
(私、何も覚えてないけど……)
(それでも、ヨンジュンさんのこと、信じたい。)
理由なんてない。
ただ、
心が知っている。
この世界で、
たったひとつ、手を伸ばしてもいい存在だと。
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【シーン:ギョンシクの指示】
一方、別棟では。
ギョンシクがチェ・ミランに指示を出していた。
「セリナ嬢には、過去の記憶を”都合よく”修正させろ。」
ミランは無表情で頷く。
「……手配します。」
「それと――」
ギョンシクは不敵に笑った。
「ジン・ヨンジュンにも、“試練”を与えてやれ。」
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財閥という名の檻。
その網は、着実に、
ヨンジュンとセリナを追い詰め始めていた。
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(続く・後編へ)




