彼女との異世界
男と犬の異世界ストーリー 第一話
青い空。
白い雲。
広い草原。
その草原の真ん中に、ポツンとたっている男の影が低い草の上でとても目立つ。
隣には座っている影がひとつ。
男は目を輝かせてつぶやく。
「とても綺麗だな、自由って感じがするぞ。お前もそう思うだろ?こみつ。」
その言葉に反応して、隣の影も答える。
「はい、ご主人!私はとても満足でございます!」
座っている影はにっこりと笑う。その笑顔はとても美しい。
「それは良かったよ。でも、問題は…」
「はい…そうですね…」
「ここが地球だったらなぁ〜〜!!」
男が草の上にドカッと座って、空を仰ぐ。
その理由は、大体10分程前に遡る。
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男____佐々木 浩司はどこにでもいる、普通のサラリーマンである。勤めている会社はブラックでもないし、そこそこいい暮らしをさせてもらっている。給料もそこそこ高め、ちょっといいアパート、そして何より可愛らしいうちのふわふわな愛犬____こみつが居る。
こみつは蜂蜜のような綺麗な黄土色の毛が綺麗な柴犬の女の子だ。しかし、少し前の浩司は犬を飼うつもりはなかった。気まぐれで寄ったペットショップで見つけて、一目惚れしてしまい、つい迎え入れてしまった。そこから、浩司とこみつの生活が始まった。
犬がいる生活はお金も時間もかかり、とても大変だが、こみつの笑顔が全てを解決するかのように浩司には思えた。
そんなある日、浩司とこみつが近所の公園を散歩していると、急に地面が光出した。浩司はとても驚いた。普段吠えないこみつも、その時はとても吠えていた。まるで浩司を守るかのように、周りを警戒しながら。
その時、地面の光から文字のようなものと、それを囲むような丸、誰もが想像する魔法陣のようなものが浮き出てきた。しかし、普通の魔法陣とは違い、その魔法陣はなにか眠気を誘う煙を出していた。幸い、浩司とこみつ以外に人は居なかったが、その場で浩司とこみつは深い眠りに落ちた。
「…ん!…主人!…ご主人!」
こみつのような声に起こされる。
「あと5分だけだから……え!?こみつ!?」
浩司も我にかえり、「あぁ、よかった…。」と言うこみつのような声が、本当にこみつの声だったこと確認する。しっかりとこみつの口は空いてるし、開閉も揃っている。
「え?こみつ?喋って……え?」
と浩司が戸惑っていると、こみつが浩司に説明した。
「どうやら、ここは地球ではない場所だと考えられます。そして、私の知能も格段に上がっている様です。とても流暢に話せるんですよ!ほら!ご主人とお話ができます!」
とても嬉しそうに尻尾を振りながらこみつが話す。
こみつが話せるのにテンションが上がって、浩司もついついこみつと話してしまう。そんな状況になり、序盤の場面となる。
少したったら、まだ混乱を残しながらも、浩司も状況の整理をした。
浩司とこみつがいる場所は、こみつの言うとうり、地球ではなさそうだ。太陽が2つも昇っている。
そして、ここは普通に異世界だから、異世界転生と考える、考えたい。
だが、不思議なことに、浩司もこみつも死んでいない。死なずに異世界に行けたなら、それは異世界転生というのか……。しかし、いまここで悩んでも仕方がない。と浩司は思い、こみつと共に宿泊場所を探すことにした。
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