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追放された令嬢は鑑定士となる  作者: えだまめのさや
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リュクロスの周辺は乾いた風が抜ける草地

 リュクロスの周辺は乾いた風が抜ける草地で、薬草を見つけるのは苦労した。Eランクであるクラリスだが微妙な依頼しかないので、今はこうしてGランクの薬草採取に来ている。

 遠くにはリュクロスへと向かう馬車や旅人がちらほらと見え、中継都市アーライよりもよっぽど栄えているのが見て取れる。

 一方でその姿が少し焦っているかのようにも見えた。

 

 「——これで数は足りているわね」

 

 翌日の午前。

 バッグに詰まった薬草を数え、まずは依頼達成。

 さらにギルドからは薬草の需要が高いのでたくさん採ってきてほしいとも言われた。これも大捕り物と関係があるのだろう。

 ポーション作りには薬草が五本くらい必要だというので、バッグに詰められた薬草ではとても足りない。

 ここからは予備で持ってきたバッグにさらに薬草を詰めていく。

 薬草探しに迷ったら野ウサギを探す。

 野ウサギの夏毛は茶色になるので見つけにくいのだが、目を凝らせばそこそこに居る。

 野ウサギがいるところにはだいたい薬草があるので、クラリスは転々と移動しながら薬草を集めていく。

 太陽が頂点に達する頃には予備のバッグも一杯だ。

 このへんでいいだろうとギルドに戻ればとても感謝された。

 

 「ラス連邦は国内どこでも総じて薬草不足なんです。冒険者は皆さんダンジョンに行ってしまいますから」

 

 受け取った依頼金は銀貨五枚。アーライと比較すると結構いいお金だ。これなら薬草採取だけでも暮らしていけそうな気がするが、薬草がたくさん生えているのがリュクロスの南から西にかけてだというので、案外と世の中上手くいかないものだ。

 

 「そういえば、掘り出し物の武器を扱っているようなお店をしらないかしら」

 「掘り出し物、ですか?」

 「質のいい中古品と言えばいいかしら。新米冒険者だからなるべく質のいい武器を買いたいの」

 

 そういう事でしたら、と受付嬢はギルドの地下に案内してくれた。

 そこにはあらゆる武器が雑多に積まれ、しかしそこそこに手入されているものだ。

 

 「ここにあるのはギルドが保管している武器庫です。冒険者が引退する時なんかによく武器を買い取っていたりしまして、冒険者志望の方に貸し出したりしているんです。ここからで良ければお売りしますよ」

 

 長剣、大剣、槍、ハルバート、斧、短剣に弓。さらには刃が弧を描いている見たこともない武器などが多数置いてある。

 選んだらカウンターまで、と受付嬢は戻っていき、一人残されたクラリスは少しかび臭さを感じながらどこかワクワクしていた。なにせここなら誰にも邪魔されずしっかりと鑑定できるのだ。

 

 「——っと、まず弓ですわね」

 

 昨日は買いそびれてしまった弓を見る。

 弓も大きさや太さ、材質が様々だ。

 まずは状態がよさそうなものを選び、鑑定にかけていく。

 

 『鑑定結果

 種別:弓

 状態:中古

 どこにでもある普通の弓。特色すべきことは何もない』

 

 『鑑定結果

 種別:弓

 状態:中古 (良)

 どこにでもある普通の弓。特色すべきことは何もない』

 

 『鑑定結果

 種別:弓

 状態:中古

 どこにでもある普通の弓。特色すべきことは何もない』

 

 若干の品質に違いはあるが、たいして違いはない。

 十本程度鑑定してみてこれなのだから、やはり特殊な能力がある武器というのは簡単に見つかるものではないのか。

 とはいえ弓はまだまだあるのだ。

 数日かけてでも全部見たい。出来れば他の武器もみたい。

 次の弓を取り、鑑定にかけていく。

 

 『鑑定結果

 種別:弓

 状態:中古 (鑑定済み)

 どこにでもある普通の弓。特色すべきことは何もない』

 

 「あら」

 

 思わぬ文言に驚く。

 能力があるわけではない。しかし状態で鑑定済みとはどういうことか。

 

 (鑑定済み……そのまま捉えるなら既にこれは鑑定された物ということ)

 

 しかし手に取った弓は今初めて鑑定したのだ。

 となれば、鑑定したのは別の誰か。

 まさかこんな形で自分と同じ職業の人を見つける事ができ、どこか嬉しさがこみ上げてくる。

 マイナーの中でもさらにマイナーな鑑定士。そんな職業を選ぶ人が確かに自分以外にもいるのだと。

 どこかくすぐったさを覚える感情をわきに置き、クラリスは鑑定を続けていった。

 

あけましておめでとうございます

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