山賊のお頭は下着姿になったクラリスをたっぷりと楽しんだ
山賊のお頭は下着姿になったクラリスをたっぷりと楽しんだ。
馬車に残っていた肉や魚で久々に豪勢な宴会を開いていたら、見回りの下っ端がいきなりやってきた。
聞けば女どもの中に貴族令嬢がいて、しかも話をさせてほしいと来たもんだ。
ほろ酔い気分なお頭は「肝っ玉の据わった女だ」と面白く思い、もし下着姿でこの野郎どもの中に出てこれるのであれば、話を聞いてやってもいいと言った。
どこかのお嬢様がそんなこと出来るはずがねぇと周囲の笑いを誘いながら飲むこと数分。
宴会の場に、下着姿になった女が一人現れた。
腰まである明るい茶髪に、白磁を思わせるような肌。
成長途中なのか胸は控えめだが、ドロワーズから伸びる足はすらりと伸びて、撫でまわしたいものだと笑う。
その顔は大勢の男にあられもない姿を見られて真っ赤だが、それでも真っすぐにこちらを見ている。
「おもしれえ女だ。おい、名前はなんだ」
「クラリス・アルマーク。アルマーク家の次女よ」
ふんふんと鼻を鳴らして女の姿を焼きつけていた野郎どもの空気が変わる。
アルマーク伯爵家。
ドラゴニア帝国の中で軍事に長け、多くの騎士団長や精鋭を輩出してきた名門だ。
そして国への忠誠心も高い。
賄賂を受け取らず、逆に賄賂を渡してこようとする者達を正道に導き、国の発展に貢献する名家。そして決定的な悪は容赦なく切り捨てる武力を持つ。
貴族であれば暗い話の一つや二つ簡単に出てくるものだが、アルマーク家はまさに清廉潔白。山賊とは対照の存在だ。
「んで、そのアルマーク家のお嬢さんが、俺に何の話だい?」
「今後の私たちの扱いについて教えていただきたいの。貴女たちは私たちを殺さないと言ったけど、では私たちはどこかに売られるということなのかしら」
「ああ?なんでいそんな事か。大人しくしてりゃ殺さねーよ。おめえさん達は大切な商品だからな。なんなら玩具にすらしないと言ってもいい」
「何故?」
「そこまで教える義理はねえ」
「そこをどうにか教えてもらえないかしら」
なんとお貴族様が頭まで下げて来るじゃねーか。
その様子に優越感を感じながら、しかしお頭は首を振る。
「頼み方がなってねぇな。別に俺らは商品に傷をつけるなとは言われているが、つまり商品じゃなきゃ傷ものにしてもいいってことだ」
山賊のお頭はクラリスまで近寄ると、無造作に頭を掴む。
「奴隷のお願いってのはな……こうすんだよ!」
「ぐっ……!」
そのまま圧倒的な力でクラリスの頭を地面へと叩きつける。ただし、加減付きで。
土下座の形になったクラリスだが、健気にも足を揃えて問うてくる。
「教えてください。私たちはどこに売られるのでしょうか」
「ほう……お貴族様にしちゃあなかなかの根性じゃねえか。いいだろう、お前さんのそのご自慢の髪と引き換えなら、教えてやるよ」
正直教えたところで何になるのか、とお頭には意味が分からないのだが、それでも教えてくれと言うのならば教えない事もない。
それに、女の髪は高く売れる。
直ぐに部下がハサミを持ってきた。
受け取ると、クラリスの髪をむんずと掴んで顔をあげさせ、後頭部に近い所からジョキジョキと切っていく。
時間にして十秒ほど。
まさか髪の毛が切られるとは思っていなかったのか、鼻血が垂れた唇を強く噛み、こちらを睨みつけている。
「こいつは上物だあ。おいお前、これを束ねて積んどけ。言い金になる」
「へい、お頭」
「——さて、話の続きだったな。お前さんたちを襲ったのはとある商家からの依頼でな。あの馬車にはとても重要な人物がいるから、それを拉致してほしいとな。だから俺たちはお前さんたちを殺さない。それに報酬にはもっともっと上玉を用意してやるとまで言われているんだ。俺たちだって『待て』くらいできるんだよ」
お頭がクラリスから手を離すと、クラリスはすぐに連れていかれる。
すぐさま宴会は再開され、良い物が見れたと騒ぎは先程よりもだいぶ大きなものになった。
「しかし良いんですかいお頭。あんだけの女がいるのに全く遊ばないってのも。しかも一人は貴族じゃねえですかい」
「馬鹿野郎。ちったぁ頭を使えよ。あんな色気もねえ女ども相手にしたってすぐに使いもんにならなくなるだろ。それにこんな湿気くさい場所でいつまでも暮らしたかねえだろう?」
「お頭、それって……!」
「ああ。——お前らきけい!今回の件、相当な金が出る!これをもって俺たちは首都に行くぞ!俺たちは山賊からいよいよ首都に腰をすえて、もっともっと大きくなる!」
「うおおおおおお!」
「俺たちもいよいよ旗揚げの時だあああ!」
歓声が響く。
山賊になって苦節二十年。
人脈も出来て、安定的に稼げるルートも見つけた。
今度の仕事が終わればかなりの額が入り、この金をもって首都で一旗揚げる。
だからこそ『待て』が出来るというものだ。
「おうよ!首都に行けばあんな芋女なんかよりももっと良い女がいるんだ!だからおめえら、今回ばかりはオイタするんじゃねえぞ!」
ガッハッハと笑いが部屋に響く。
歓声が溢れ、お頭は酒瓶を手に取って高々と掲げる。
「いよーし!今日は呑むぞ!呑んで呑んで、のみま——」
刹那、一陣の風が部屋を襲い、お頭の首を切り落とした。




