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第七話  横須賀

 今回初投稿です!


 楽しんでいただけると幸いです。




   「ねぇ〜まだつかないのぉ〜?ひぃぃぃ〜」


 明音が私の後ろで汗だくになりながら聞いてくる。かれこれ1時間ほど。人通りの少なそうな道を進んできて、ようやく残り5キロといったところか。ここまで必死に自転車を漕いできたおかげで、思ったより早く着きそうだ。


   「もう少しだから頑張って!!」


 私は少し声を張り上げて鼓舞する。しかしそれは私に向けたものでもあった。


  「それ、5回ぐらい聞いたんだけど!?」


 明音がツッコむ。なんだ、ツッコむ余裕あるじゃないか。


 「あんたが15分ごとに聞いてくるからいけないんじゃない?」


私は呆れたように呟く。最初に聞かれた時は早すぎて戦慄したのを覚えている。ダンスはあんなにできるのに、なぜ別の競技になるとこうも頼りないのか。


   「だってダンスは楽しいもん」


 そう明音が言う。


 こいつは超能力者か何かなのではないのかと本気で疑った瞬間だった。


 私と明音は街中を進む。しかし、このあたりはあちこちで火の手が上がっていた。再開発で高層ビル群が立ち並んでいたために攻撃の対象になったのだろう。


     「瓦礫で進めそうにないよ………」


 明音が残念そうに言う。ビルが倒壊しその瓦礫が小さな山となって道を塞いでいた。右側にも道があったが、炎で通れそうにない。この瓦礫を越えるしかないようだ。


   「ここからは歩きで行くしかなさそうね…」


 私は覚悟を決め、重い足をゆっくりと持ち上げる。そして2本の足で立ち、その瓦礫に向け歩き出す。


  「これゲームだったら絶対進めないやつじゃん…」


 そう言って明音も自転車から降りて瓦礫へと歩き出す。


 私は瓦礫に足をかける。もし登る場所を間違えれば、間違いなく崩れて大怪我をするだろう。だが道はここしかない。


 私は慎重に登っていく。これまで色々なことをしてきたが、パルクールは初めてだ。すると、右下の方から明音の声がする。


 「見たまえ!!このダンスで培った軽やかなフットワークを!」


 明音はそう言って私を追い越す。一体どこからそんな元気が出てくるのかわからない。


 「危ないからやめなさい。崩れても知らないよ?」


 私は左上にいる明音を見上げながら忠告する。


    「だいじょぶだいじょぶ〜」


 そう言って明音は登っていく。そして頂上付近で足元が崩れ、鈍い音がする。


「あっ……………

ひゃうっ…っっっっっ」


 明音は足を滑らせ額を強打する。痛そうに悶絶している。平常運転のようだ。私も少し遅れて頂上に到達する。


        「さて、進もうか」


 「少しは心配してくれてもいいんじゃないかなぁっ?」


 明音が涙目で、おでこをさすりながら私に訴えかける。


    「降りる時は頭をぶつけないようにね」


 私はそう言いながら、明音の擦り傷のついたおでこを指で突っつく。


「ねぇなんで突っついたの!?ねぇ?普通に痛いんだけど!?」


 私は後ろで騒いでいる明音を尻目にしながら遠くを見つめる。そこにはとある巨艦の姿があった。

5キロ先からも見える巨大な空母が3隻。圧巻の光景だった。


 アメリカ海軍第七艦隊旗艦

    原子力空母「パリストン・J・ゲイボルグ」

 日本国防衛軍海軍第三防衛艦隊旗艦

    電気推進空母「しらかみ」

 日本国防衛軍海軍第一防衛艦隊旗艦

     原子力空母「くろひめ」


 どれも400メートルを超える巨艦だ。その周りには護衛艦らしきものも見える。きっとあそこに行けば助かる。そう自分自身に言い聞かせながら、瓦礫を下る。


「明音!まだ艦隊が停泊してるよ!助かるんだ!」


 私は声を張り上げる。地面まで3メートルほどあったが、一気に飛び降りる。足がジンジンした。だけど私にはそんなもの関係ないくらいに、目の前に見えた希望が嬉しかった。


  「おっきいねー、どのくらいの大きさなんだろう。」


 明音はその巨艦を眺めながら言う。その目はどこか悲しそうだった。彼女の家は都心から近い。おそらくあのミサイルの雨で家族は死んでしまっているだろう。


 


 

 たとえ生きていたとしても、もう会えるかどうかは分からない。生きるという希望が目の前に見えているだけに、死の絶望というのはくっきりと影のように映る。


          「大丈夫?」


 

 私にはこの一言が限界だった。いつもと違う明音を前に、なんと言えばいいか分からない。



   「だいじょうぶだよっ!さぁいこっか!」


 

 戸惑っていた私の顔を、下から覗き込んで明音は笑う。そしてさっと前を向いて歩き出す。大袈裟な動きで歩いていく。どこかアニメーションチックな動きで、私を笑わせようとする。


    だから私は笑って、彼女の前に出る。


   「私がいなかったら辿り着けないでしょ?」

 

        私は笑って振り返る。


   「さすがにもう見えてるからいけますぅーー」


 そう言って明音は私の横まで走ってくる。そうして私たちは歩き出した。


  その時、衝撃波と轟音が私たちの耳をつんざいた。




 皆さん初めまして、ブルングです。今回初投稿ですので、もしかしたら読みにくかったりするかもしれません。


 誤字脱字等ありましたら、コメントで指摘していただくと嬉しいです。(他にも、ここが読みにくい などのコメントもお待ちしています)


 読んでくれてありがとう!!!

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