第二十二話 脱出艦隊
今回初投稿です!
楽しんでいただけると幸いです。
「全艦に通達。これより我々はハワイ島、真珠湾基地へと向かう。各自湾を脱出。その後輪形陣を組む」
空母"くろひめ"の艦長が無線を飛ばす。その声を聞いた船たちは一斉に湾を離れ出す。
全ての艦が脱出し、陣形を組み始めるまで30分とかからなかった。
日本脱出より90分後、陣形が完成する。中央には民間船。それを囲むように3隻の空母。さらにそれを取り囲むように50隻を超える軍艦達。
その姿はまるで"巨大な島"のようであった。
「"しらかみ"はどうだ?修理できそうか?」
くろひめの艦長が問う。
「あの船は電気推進です。敵のEMP攻撃により機関に深刻なダメージを負っています。基地で修理するしか無いかと…」
艦長の横に立ち、背が高く虚な目をした男が言った。
「そうか…。この船もレーダーシステムにダメージを負っている。現在この艦隊を守っているのはたった一隻の非武装レーダー艦のみだ。敵の空襲が無ければいいが…」
艦長は"うーむ"と唸り、頭の帽子をさらに深く被る。
「1時間後には4隻のレーダーが復旧する予定です。あと1時間耐えれば余裕が生まれるでしょう」
男は言った。
「それでも4隻だ。データリンクがあるとはいえ、あまり多くの目標には対応できん。レーダーの復旧を最優先にせよ」
「了解しました。私は事態の現状把握に努めます。失礼します」
そう言って背の高い男は敬礼し、艦橋を後にしようとする。
「あー、……一ついいか?」
艦長が男の方を向き言う。
「避難民達に温かいスープを振る舞ってくれ。足りなかったら私が隊員達に頭を下げる」
艦長は頭を掻きながら言う。
「了解しました…。2日は覚悟してくださいよ」
「承知の上だ」
その会話が終わるとすぐに男は走って行った。
慌ただしい艦橋の中、艦長は静かにつぶやいた。
「祖国よりもはや50浬。戻ってくるのはいつになるのか。もう、あの美しい日本の桜は見られないのかも知れないな」
その言葉の後、静かに艦長は席を立った。
「この艦隊の指揮を任された身だ。隊員達に頭を下げに行かなければな!」
彼の着ているコートが大きく舞った。その姿は、"200万人規模の船団を任された重圧"これに対する虚勢のように見えた。
皆さん初めまして、ブルングです。今回初投稿ですので、もしかしたら読みにくかったりするかもしれません。
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