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第十六話  無邪気

 今回初投稿です!


 楽しんでいただけると幸いです。





       「ここは学校みたいだね」




 廊下を歩きながら千があたりを見渡し言う。私が意識を取り戻してから5分後、ある程度体が動くようになったので、とりあえずあたりを探検してみることにしたのだった。私、千、明音の順番だ。


 

 「殴らなくてもいいでしょぉ!私の愛キスで眠りからさめられたんだし!」



      明音が頭をさすりながらぼやく。



 「いやあんたのキスがなくても起きてたから。私の生命力はあんたの愛より強いの」



 私は明音に言い返す。私と明音の間で歩く千は気まずそうにしている。この状況から抜け出したいのか、千は私を追い抜いて私たちに問う。



    「とりあえず、これからどうするの?」



 それは私たちの前に立ち塞がる大きな課題だった。外にはあの大きな敵がいる。しかし私たちはここから約600メートル先の空母に向かわなければならない。いつ出航してしまうか分からない以上、もたもたしているわけにはいかない。また、ここに残ってもいつかは死んでしまうだろう。



    「とにかく奴の目を盗んで空母に行こう」



         私は二人に言った。



 「でもどうするの?あいつはきっとすぐにこっちを見つけてくるよ。それに今どこにいるかも分からないし……」



 千が言った。奴がいるとするならばトラックの方だろう。ここまでは位置関係的にトラックは見えなかったが、もう少し進めば見えるはずだ。私たちは廊下を駆け足で進む。



 やがて歩いている廊下の窓から燃えているトラックと奴が見えた。すぐに私たちは屈み、奴を観察する。



   「何してるの?あれ。楽しくおしゃべり?」


 

 明音が不思議そうな声で私たちに言う。しかし私には奴が何をしているかハッキリと分かった。



         「遊んでるんだ」



 私は暗い声色で言った。逃げる人を持ち上げたかと思えば上下に素早く振ったり、手を捥いでみたり、刺してみたり。おおかた私たちが子供の頃にアリなどにしていた行為と似たものを感じさせる。


 別の生物で遊ぶと言う行為は知能の高い動物がやることだ。イルカやチンパンジーは他の動物で遊ぶこともある。ついこの間もイルカがフグを突いている動画を見た。正直なところ少し面白いと思ってしまったのは、私がフグの立場に立っていなかったからに違いない。


 


      「とりあえず、武器を探そう」



      私は立ち上がって二人に言った。



  「でもここ学校だよ?武器なんてなさそうだけど」


 

    明音が私の方を見て言う。それに私は答える。



「とりあえず化学実験室に行こう。使える薬品とかあるかもしれないし」


 

  「そうだねっ!とりあえず硝酸と硫酸を探そう!」


 

 そう明音が満面の笑みで言う。こいつは何がしたいのか本当に分からない。自爆特攻でもするつもりなのか。



「なんで爆薬の材料を探すことになってんのよ。あと、生成してる時間なんかないからね」



 私はそう明音に言うと、スタスタと歩き始める。千は私の横に走ってきて、彼の妹だったものをゆっくりと揺らしながら一緒に歩き出す。


 

  「ちぇっ。せっかく楽しくなると思ったのになぁ〜」


 明音はそう言ってゆっくりと立ち上がる。そして私たちを走って追い越し、こっちに振り返る。


    「校内マップによればこっちだよっ!」


 明音はそう言って私たちを先導する。そういえば私が寝ていたところにマップがあったような気がする。いつの間に覚えたのか。それよりこの単細胞の脳にマップを覚える容量があったことに驚きを隠せない。


     「よく覚えられたね。見直したかも」


 私が明音にそう言って、明音は誇らしそうにしている。しかしチラッと見えてしまった。無惨な姿の校内マップが!



   それは明音のポケットから顔を覗かせていた。



 「明音さんが剥ぎ取ったんです。あの…その…掲示板についてるものを無理やり……」



 千の声が下から聞こえる。私はルンルン気分で歩いて行く明音を見つめて固まることしかできなかった。








 皆さん初めまして、ブルングです。今回初投稿ですので、もしかしたら読みにくかったりするかもしれません。


 誤字脱字等ありましたら、コメントで指摘していただくと嬉しいです。(他にも、ここが読みにくい などのコメントもお待ちしています)


 読んでくれてありがとう!!!

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