第十二話 偽りの悲鳴
今回初投稿です!
楽しんでいただけると幸いです。
私たちが束の間の談笑に花を咲かせていた時、トラックが止まった。救助を求める人がいたのか、軍人たちが降りて民家の方に向かう。
「助けてくれーー、ここだーーー!!」
民家の裏から声がする。男性の声だろうか。私たち三人はトラックから身を乗り出し、その民家の方を見る。
軍人が二人、救助に向かっているのが見えた。今ここに残っているのは、先ほどの凛とした顔立ちの女性軍人と、このトラックの運転手だけだ。
二人の軍人は道路を通って民家の裏側に回り込もうとする。そして彼らは民家の裏を覗く。
その瞬間、軍人たちの体が吹き飛んだ。
一人は体が真っ二つに裂け、一人は破裂してしまっている。もう助からない。
ここにいる全員の時間がゆっくりとしたものになる。ある者は驚きが体を支配し、口をあんぐりと開けている。またある者は、恐怖が体を支配し、ペタリと座り込んでしまう。そして状況が飲み込めない者もいた。
トラックの周りで警戒をしていた女性軍人は咄嗟に、持っていた小銃の銃口を殺された二人の軍人の方へ向ける。
民家の裏から声と共にそれは姿を表した。
「タスケテ、タス、ワタシはここにイル」
先程私たちが遭遇したものとは違う、もっと大きくて、威圧感のある姿をしていた。黒色で、ステルスに気を使ったフォルム。さらに巨大な砲身とその上にあるセンサー類、さらには自衛用の機関砲。8本の足があり、足は機械ではあるものの生物的に動く。敵の戦車とも言えるものだった。
ゆっくりと民家の影から姿を表したそれは、電子的に生成した人の声を発している。人を誘き寄せるための罠として。
女性軍人はトラックを飛び降り、それに向けて発砲する。しかし素人目に見ても効果があるようには思えない。ただ敵の表面で火花を上げるだけ。
その大型の敵は私たちを認識すると、驚くほど速いスピードで距離を詰めてくる。そしてその女性軍人をその足で持ち上げる。
女性軍人は持ち上げられながらも敵に向けて発砲する。しかし全く効力を感じない。
トラックの車高の2倍ほどの高さまで彼女は持ち上げられる。彼女は手と足をバタバタとさせる。次の瞬間、その敵は彼女を地面に勢いよく叩きつけた。
"バチッ"という音と共に叩きつけられた彼女は、首がありえない方向に曲がっており、すでに絶命していた。彼女が最初に発砲してからわずか10秒ほどの出来事であった。その10秒は、彼女がなにか言葉を残すにはあまりにも少ない時間であった。
トラックに同乗していた一人の男が声を上げながら逃げようとする。しかし敵はその動きを逃すはずもなく、トラックの中から男が体を出した瞬間にその足で突き刺す。敵は足に突き刺さった男の体を振り払うように足を振り、その男の死体は遠くに投げ飛ばされる。その光景を見て、外に逃げることができる者は誰も居なかった。
トラックが大きく揺れる。そして地面からタイヤが離れる。金属の軋む鈍い音と共に運転席部分が折れ、トラックは真っ二つになる。折れた運転席は敵の足で蹴飛ばされ、原型をとどめないほどに潰れる。
気づけば地面との距離はかなりのものになっていた。6メートルはある。飛び降りるのには危険な高さだ。私は明音と千を見る。不安の表情を浮かべている。どうにかしたいが、どうしようもない。
次の瞬間だった。
私の体が宙に浮く。上下という概念が私の世界からなくなっていく。私の理解が追いつかないうちに、凄まじい衝撃が私を支配した。
皆さん初めまして、ブルングです。今回初投稿ですので、もしかしたら読みにくかったりするかもしれません。
誤字脱字等ありましたら、コメントで指摘していただくと嬉しいです。(他にも、ここが読みにくい などのコメントもお待ちしています)
読んでくれてありがとう!!!




