人喰いテレビ
夢を見た。
テレビに出演する夢を。
でも、その出演のしかたが特殊だった。
いきなり、テレビに顔が現れ、口を大きく開ける。
そのテレビがすぐに、私を呑み込んでいく。
そのまま、バラエティー番組の後列に座っている。
そんな感じだった。
なぜか、ドカンとウケた。
何を喋ったかは、忘れたのだが。
変な夢だ。
私は、テレビなんて興味ないのに。
5回は、この夢を見ている。
私は、本当にバラエティー番組に出ていた。
ほっぺをつねろうとしたけど、弾力ありすぎて、掴めもしなかった。
「最近、ハマっているものある?」
「美容ですかね」
あの夢の10回目を、見たすぐ後にスカウトされた。
そこから、モデルになった。
そして、今に至る。
楽しい。
私に、合っている世界だ。
このまま、テレビに吐き出されないことを、祈るだけだ。