表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
琥珀色の呪文  作者: Shellie May
60/80

(60) 退院

To 妃奈 sub 済まない


妃奈へ

先程武蔵先生より、しばらくの間面会謝絶にして、妃奈を治療に専念させる事にしましょうと言われ、俺も同意した。

しばらくは顔を見せに行けないが、許して欲しい。

以前妃奈が使っていた携帯を、再び契約して使える様にしておいた。

使い方を覚えているか?

家に説明書も取ってあると思うので、今度探して差し入れる様にする。

喉を痛めた妃奈と、これでやっと会話が出来ると思うと嬉しくて仕方がない。

妃奈が思っている事、考えている事、感じた事、何でもいいからメールして欲しい。

何時(いつ)でも構わないから…お前のメールを待っている。

             黒澤鷲



From 妃奈 sub Re:済まない


本当に申し訳ありませんでした。

説明書は、必要ありません。



To 妃奈 sub 気にするな


愛する妃奈。

相変わらず()()ない程短いメールに、懐かしい様な、寂しい様な、微妙な心持ちでいる。

今回の一連の出来事に、妃奈を巻き込んでしまった事、本当に申し訳なく思っている。

全ては、俺と森田さんとの行き違いが招いた事だ。

だから、妃奈が責任を感じる必要は何もない。

今は躰を休めて、早く良くなれ。

俺と琥珀の待つ家に帰って来るのを、心待ちにしている。

             黒澤鷲



From 妃奈 sub Re: 気にするな


お花とゼリーの差し入れ、ありがとうございます。

黒澤さんのお躰の具合は、もう宜しいのでしょうか?

琥珀は、元気にしていますか?



To 妃奈 sub 写真を送る


愛する妃奈へ。

差し入れを気に入ってくれた様で、安心した。

耳鼻咽喉科の医師から、しばらく声を出さない様に言われたそうだな?

喉の炎症の為に、食べ物を受け付けなかったそうだが、俺が差し入れたゼリーは完食したと武蔵先生から聞き、嬉しかった。

好みの味を知らせてくれたら、今度探して差し入れ様と思う。

琥珀は、元気にしている。

栞と、大阪から助っ人に来てくれた田上の母親にも良く懐いている。

それでも物音がすると、妃奈が帰って来たのかと家中お前の姿を探し回り、居ない事がわかると()せて身を丸め、寝る迄泣き続けている。

写真は、比較的機嫌が良い時を見計らって、栞に撮って貰った。

最近ようやく、俺に抱かれる事にも慣れた様だ。

俺の躰の事は、心配ない。

俺が撃たれた事で妃奈には(ひど)く心配させたが、元々殺傷力の低い小さな拳銃だったんだ。

長く入院する事になったのは、弾の摘出手術後の感染症と、炎症の為の発熱が引かなかった為だ。

完璧に治療して退院したから、心配する事は何もない。

それよりも、お前が気に病む方が心配でならない。

愛している、妃奈…早く良くなって帰って来い。

             黒澤鷲



From 妃奈 sub Re:写真を送る


写真と差し入れ、ありがとうございます。

琥珀の元気そうな姿に安心しました。

根津さんと、田上さんのお母様に宜しくお伝え下さい。

届けて頂いた書類は、申し訳ありませんがお返し致します。

琥珀の書類は、書き込んでおきました。

出来れば、琥珀を黒澤さんの籍に入れてやって下さい。

宜しくお願い致します。



To 妃奈 sub 婚姻届


愛する妃奈。

お前が心配する事は、何もないと言っただろう?

嶋祢蝶子との婚約話は、完全になくなった。

嶋祢会長や堂本組長も、了解して下さった事だ。

嶋祢蝶子が狙っていた妃奈の土地の件も、全て白紙に戻った。

後は、妃奈が俺の元に戻って、琥珀と3人で家族になるだけだ!

何の不都合がある!?

お前は、俺の幸せを願っているんじゃなかったのか?

妃奈の居ない人生なんて、俺にはもう考えられない!

愛しているんだ、妃奈!

俺の幸せを願うなら、婚姻届にサインして欲しい。

それとも、お前の俺への気持ちは、もう冷めてしまったのか?

そうは考えたくない事だが、夜も寝れない程不安だ。

             黒澤鷲



From 妃奈 sub Re: 婚姻届


申し訳ありません。

私の中で、黒澤さんへの気持ちが冷める事はありません。

絶対に、ありません。

ですが、それと書類にサインをする事は、又別の話です。

黒澤さんと、琥珀の幸せを、心から祈っています。

琥珀の事を、宜しくお願い致します。



To 妃奈 sub 無題


愛する妃奈。

お前の気持ちが、わからない。

一体妃奈は、何を考えている?

気持ちがあって、琥珀という子供迄居るのに、結婚を(こば)む理由とは一体何だ?

妃奈に会いたい。

妃奈に触れたい。

抱き締めて、キスをして、撫でてやれば、お前は本当の気持ちを話してくれるだろうか?

面会謝絶で声を出せない今の状態では、(まま)ならない事ではあるが…。

妃奈の気持ちが知りたい!

妃奈が、何を思い悩んでいるか知りたい!

妃奈の気持ちが見えなくて辛い。

お前が今、何を考えているのか書いて欲しい。

頼むから、お前の辛さを俺にも分けてくれ!

             黒澤鷲



From 妃奈 sub Re: 無題


申し訳ありません。

私という存在が、どれだけ周囲の方々にご迷惑を掛け、不幸を呼び寄せて来たかを考えると、自分だけが幸せになる事など恐れ多いのです。

私の様な女が黒澤さんの近くに居る事で、これから先も貴方が中傷されたり危険な目に()いはしないかと、不安でなりません。

琥珀は、黒澤さんの元を飛び出した後に、私の中で宿っている事がわかりました。

奥多摩で、あの親戚達に崖から落とされても、私の中でしっかりと生きてくれた命です。

琥珀を宿している事がわかったから、私は今日迄生きて来る事が出来ました。

貴方からの授かり物である琥珀を産み育てる事が出来た日々は、私にとって宝物の様な日々でした。

ですが、いずれは琥珀も私の様な母親が居る事を(うと)ましくなる日がやって来ます。

私のエゴで産んでしまった事を、私の血を継いでしまった事を、琥珀が後悔する日がやって来ます。

私という存在が、黒澤さんや琥珀の(さまた)げになる日が必ずやって来ます。

私は、それに耐えられないでしょう。

だから、これ以上琥珀と黒澤さんの元には居られないのです。

黒澤さんと琥珀の幸せだけが、私にとって大切な事なのです。

わかって下さい。



To 妃奈 sub わからない


愛する妃奈。

わからないし、わかりたくもない!

妃奈は今迄、苦労を重ねて生きて来た。

周囲の思惑(おもわく)翻弄(ほんろう)され、辛い日々を送って来た。

それでも、周囲の人々の幸せを願って、自分の幸せを置き去りにして生活して来た。

そんな妃奈が人並みの幸せを手に入れる事を、俺は誰にも何も言わせない!!

妃奈と結婚したからといって、俺が中傷される事など何もないし、誰にも何も言わせない。

返って妃奈の方が、暴力団弁護士と結婚する事で中傷を受けるだろう。

お前は、それに耐えてくれるだろうか?

琥珀も、暴力団弁護士を父親に持つ事で、世間に中傷されるだろう。

かつて、自分が同じだった様に…。

だが、同じ立場だったからこそ、話も出来るし上手く導いてやれると思う。

俺達の結婚には、何の支障もない。

お前の不安は、俺が全て取り除いてやる。

今迄もそうだった。

お前の不安も疑問も、俺が全て答えを教えてやっただろう?

これからも、同じだ。

俺が、全てを教えてやる。

世の中の事も、男女の愛も、幸せになる方法も…俺だけが、お前に教えてやれる!

だから俺の腕の中に戻って来い、妃奈!!

Princess(プリンセス) Amber(アンバー)…お前を、心から愛している。

             黒澤鷲



From 妃奈 sub Re: わからない


ありがとうございます。

お気持ちは、本当に嬉しくて、申し訳ない気持ちで一杯です。

ですが、私達の結婚を…私が幸せになる事を、快く思わない方がいらっしゃる内は、黒澤さんの元には帰れません。

申し訳ありません。



To 妃奈 sub 琥珀の事


黙っていようかとも思っていたんだが、琥珀はずっと体調を崩している。

小児科の医者に診て貰った所、母親と離された事による不安が原因だそうだ。

鷹栖先生にも相談し、妃奈と会わせる事も考えたが、見舞いの短時間会わせて連れ帰るのでは、琥珀の為には良くないという判断で家で過ごしている。

我慢強いのは母親(ゆず)りか、部屋の隅で指を(くわ)え、妃奈がドアを開けて帰って来るのを一日中じっと待っている。

夕刻には熱を出し、うわ言でお前を呼んでいる。

最近は起きる事もダルそうだが、部屋の隅で待つ事を止めようとしない。

無理に寝床に連れて行くと、泣き叫んで抵抗し、元の場所に連れて行けと駄々を()ねる。

本当にお前にそっくりだが、1歳児の体力的な事を考えると心配でならない。

1日も早くお前が帰って来る事を、琥珀も俺も待っている。

Princess(プリンセス) Amber(アンバー)…お前は俺達にとって、無くてはならない女性だという事を自覚するべきだ。

             黒澤鷲



琥珀の様子を知らせた事で、妃奈は積極的に治療を受け、食事を()り、1日も早く退院出来る様に努めた。

そして、12月も半ばを迎える頃、妃奈は大人しく黒澤の車に乗って帰途に着いた。

「…琥珀は?相変わらずですか?」

「あぁ…出る時に、お前を連れて帰って来ると話してやったんだが…1歳じゃ、まだわからないだろうな」

「そんな事は、ありません。ちゃんと話してやると、理解します」

「そうなのか?」

「…そうやって、生活して来ました」

そう妃奈は俯いて、指先を擦り合わせた。

「寒いか?暖房の温度を上げるか?」

「いぇ…そうではなくて…少し、寄って頂きたい所があるんですが…」

「どこに?」

「…浅草の…松浪のお屋敷に…」

チラリと視線を寄越す妃奈の色香にドキリとしながら、黒澤は誤魔化(ごまか)す様に咳払いをして尋ねた。

「お前達の荷物は、全て運んで来たぞ?」

「…そうではなくて……不義理をしたままですから…」

「……」

「本当なら、直ぐにでも琥珀の元に帰ってやりたいのですが…帰れば、当分外出は無理になると思いますので…」

「…わかった」

そう言うと、黒澤は車を路肩に停め、サイドブレーキを引いた。

「1つ聞いておきたい事がある」

「…何でしょう?」

「松浪組の…佐野さんの事だ。結婚話があったというのは、本当なのか?」

「…その様です。旦那様から、佐野さんの部屋で寝起きする様にと言われました」

衝撃的な告白に、バンドルを持つ手が汗ばんだ。

「……そういう…関係にあったのか?」

「は?」

「だから……佐野さんと…」

「ありません」

「……」

「ありません…が、佐野さんから、組の皆さんには、そう思わせて置く様にと言われました。その方が、私の為だと言われました。佐野さんには、私も琥珀も本当にお世話になって…大切にして頂きました」

俯いたまま話す妃奈の睫毛(まつげ)が、微かに震える。

「……信じられませんか?」

「いゃ…信じる」

そう言うと、黒澤はシートベルトを外して妃奈の顎を(とら)えた。

「…お前を信じる」

そう言って身を乗り出すと、大きく目を見張りシートに()()る妃奈の唇を()んだ。

「…こんな所で!?」

「何言ってる?どれだけ待ったと思ってるんだ」

「だからって…外から丸見えじゃないですか!!」

「それがどうした?」

「……」

絶句する妃奈の唇をもう一度塞ぐと、黒澤は逃げ惑う妃奈の舌を(とら)え思うままに口腔を蹂躙(じゅうりん)した。

赤面し涙目になってトロンとした表情を見せる妃奈に満足すると、黒澤は再びシートベルトを装着して車を発進させた。



「妃奈!!お前、躰はもう大丈夫なのかい!?」

松浪組長宅の座敷に上げられた黒澤と妃奈に、松浪組長の奥方である忍夫人が心配そうに尋ねた。

「この度は、勝手な事を致しまして…本当に申し訳ありませんでした」

畳に額を付けて謝罪する妃奈の隣で、黒澤も一緒に頭を下げた。

「いいんだよ、そんな事!琥珀が連れて行かれちまったんだ。母親としては、当然の行動さね。それより、血ぃ吐く程躰壊してたって方が重大だよ!何で言わなかったんだい!?」

「…申し訳ありません」

「全く…水臭いったらありゃしない!」

「お陰様で、手術もして頂き…無事に退院する事が出来ました」

「まぁ、良かったよ。本当に…。それで?お前達の結婚の日取りは、もう決まったのかい?」

「……それは…」

言い(よど)む妃奈に変わり、隣から黒澤が助け船を出す。

「書類上の事や、妃奈の体調…それに片付けなければならない事が多々ありますので…それらを全て終えた後にと考えております」

「片付ける事?」

「妃奈の遺産の件です。正式に妃奈の物になりましたが、詳しいリストを作成し、書類を作らなくてはなりません。それに、現在私共の暮らす家は、子育てには不向きなので…いっその事、土地の運用の事を考えて、マンションでも建てようかと考えておりまして」

「そりゃ、随分(ずいぶん)と先の話だね?」

チラリと妃奈を窺いながら、忍夫人は不満気な声を出した。

「はっきりとした日取りが決まり次第、こちらには必ずお知らせ致します」

「絶対だよ!妃奈も琥珀も、可愛いウチの子供や孫と一緒なんだからね!?」

そう忍夫人が声を上げた時、座敷の(ふすま)が開けられ、松浪組長と佐野が姿を現した。

「旦那様、ご無沙汰致しております」

「おぅ、妃奈。やっと退院して来たか」

「この度は、色々とご迷惑をお掛け致しまして、本当に申し訳ありませんでした」

「何、いいって事よ。おい、佐野」

そう松浪組長が顎をしゃくると、隣に控えた佐野が袱紗(ふくさ)に包んだ分厚いのし袋を妃奈の前に置いた。

「…旦那様、この様な事は!?」

「何言ってる、妃奈。(わし)の気持ちだ」

「ですが…」

「なら、黒澤に渡してやれ。お前の入院手術代だ」

「松浪組長、それは…」

黒澤が眉を寄せるのを受け流すと、松浪組長は懐から煙草を出しながら、事もなげに言った。

「黒澤、妃奈は(わし)の所の女中だ。まだ退職願を受け取っちゃいねぇからな」

「それは、そうですが…」

「ウチの従業員の入院費を(わし)が払う…何の不都合がある?」

松浪組長は、黒澤の内情を察してくれたのだろう。

分厚いのし袋の膨らみは、100万はありそうだ。

「…それでは、ありがたく頂きます」

分厚いのし袋を懐にしまい、黒澤は深々と頭を下げた。

「黒澤、お前…堂本からの沙汰(さた)は出たのか?」

「いぇ…年明けの年賀の席の前に、森田組長と共に顔を出す様にと言われております」

「そうか…お前、いっそウチの弁護士になる気はねぇか?」

松浪組長の言葉に、黒澤は少し目を見張り、口元を緩めた。

「ありがたいお申し出ではありますが…今回ばかりは、堂本組長のご沙汰(さた)を甘んじて受ける覚悟をしておりますので…」

(わし)も詳しくは知らされてねぇが…結構な爆弾を持ち込んだそうだな?」

「……」

「まぁ、森田も金で片を付けて引続き若頭(わかがしら)を務めるみてぇだし、堂本組としちゃ安牌(あんぱい)沙汰(さた)だったみてぇじゃねぇか」

「…そうですか」

「何だ、聞いてねぇのか?」

驚いた顔を見せる松浪組長に、黒澤は苦笑を返す。

「森田組長からは、出るに及ばずと言われておりますので…年明け迄は、個人的なクライアントの依頼のみを受ける気楽な身分です」

「…まぁ、お前にしても病み上がりだしな。年明け迄、妃奈共々気楽に過ごせばいいかもしれねぇな」

「そうさせて頂きます」

2人の話を聞いて不安そうな顔を見せる妃奈に、黒澤と松浪組長は笑顔を向けた。

「何、不安そうな顔してんだ、妃奈?」

「旦那様…嶋祢のお嬢様は、どうしておいでですか?」

「蝶子か?アイツは今、海外に居る」

「……」

「森田から、たんまり慰謝料をぶん取ったらしいからな。外国で豪遊してんだろ?なぁ、佐野?」

「へぇ、その様です」

「森田も、蝶子の扱いには慣れてるからな。心得たもんだ。心配いらねぇ」

松浪組長の言葉に、妃奈は身を固くして(うつむ)いた。

「それより、妃奈…お前ぇ、(わし)に何か言う事があるんじゃねぇか?」

「……」

「ウチを出て、黒澤の所に嫁ぐんだろうが?」

「それがね、寅…まだ、結婚しないって言うんだよ」

忍夫人の言葉に松浪組長は眉を潜め、佐野は呆れた様に嘆息(たんそく)した。

「お前ぇ、何考えてる?」

「申し訳ありません。色々とありまして…」

「どうせ、妃奈がゴネてんだろ?そうだな、妃奈?」

「……」

佐野の言葉に(うつむ)いた妃奈が、次に吐かれた言葉にビクリと痙攣(けいれん)した。

「何気にしてんだ?森田組長の事か?」

「!?」

「…そうなのか、妃奈?」

「……」

「森田さんの事は、気にしなくていい。妃奈との結婚の事は、伝えてある」

「……何と…仰ってましたか?」

「好きにすればいいと、言っていた」

「……それは…賛成はしないという事ですね…」

「妃奈!?」

フルフルと黒澤に首を振ると、妃奈は松浪組長に手を着いた。

「旦那様、奥様…今迄、本当にお世話になりました。琥珀と2人、人並み以上の生活が出来たのは、お2人のお陰です。本当にありがとうございました」

「お前ぇは、(わし)の…この、松浪寅一の命を救ってくれた。こんな事位じゃ返せねぇ程の恩があるんだぜ?これから先も、何か困った事があったら、何時(いつ)でも力になるから言って来な」

「ありがとうございます、旦那様」

「本当だよ、妃奈!遠慮なんかするんじゃないよ?たまには、琥珀と一緒に顔を見せに来ておくれ」

「ありがとうございます、奥様。佐野さんにも、本当にお世話になりました」

「いいって事よ…幸せになるんだぜ」

妃奈は何度も何度も畳に額を付けて、3人に感謝の言葉を連ねた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ