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事の顛末
オリンピックホテルで死亡した十名の遺体は、馬渡の両親による捜索願の届け出により、地元警察の捜索によって発見された。発見した捜査員らは一様に驚きを隠せず、その場にいる誰もが、北海道で起こった戦後最大の事件になるだろうと考えた。事実、そのニュースは、その日のうちに全国を駆け巡り、年越し前の話題はそれで持ち切りとなった。集団自殺という発表ではあったが、毒や猟銃が使われたことから、異常な状況下での殺人を疑うのも無理もなく、様々な憶測がインターネット上に散見されたのも事実である。しかし年が明けるのを待たずして九名の自殺が断定され、残り一名は殺害されたものの、被疑者死亡で書類送検されるも不起訴になったことで、一気に沈静化していった。




