第1話
本当に現実にありそうで、たくさんの方が同感してくださるような恋愛ものを書いてみたくて、書きました。
私の初投稿作品を、良ければ見ていってください!
だいたい恋愛ドラマとか恋愛映画って、話ができすぎている。
イケメンたちに奪い合いされるとか、ばったり出会って付き合い始めるとか。
「ほんとありえないんだけど!!」私は、田舎生まれ田舎育ちの、現在高校3年生の鈴田美紅。
「まぁまぁ。現実にあり得ないからキュンキュンして、楽しいんじゃん!」仲良し4人グループの中で一番姉御肌の、大木真奈美。
「そうだよ、夢見させてくれてるっていうかさ!」優しくって頭がいい、松本由佳。
「ていうか、あんなハデハデの高校生、校則違反じゃね?」お笑い担当、森七海。
4人で一斉に大笑いした。
こうやって毎日しょうもない話を、高校で出会った3人の最高の友達と喋って、笑ってって出来るから、すごく幸せ。だけど、できるんだったら、ヒロインのJKぽく、リア充になってみたい…。
「そう言えばさ、美紅幼なじみいるんでしょ?」真奈美が聞いてきた。
「いるけど、それがどうしたの?」
「ラブストーリーの定番っていったら、幼なじみとの恋愛っしょ!」七海が言った。
「ないないない。そんなにイケメンじゃないし、だいたい、小学生以来ほとんど会ってないし。」
「なんて名前なの?やっぱりカタカナ系?」由佳が笑いながら聞いてきた。
「全然!超超超日本人名だから!」
「で、なんて名前なの?」3人が同時に聞いてきた。
「高橋…」
「たかはし??…」
「三郎!!」
「さぶろう!?あははは」七海が大笑いした。そして、クラスにいる名前がさぶろうの、佐々木三朗がクシャミをした。
「ちょっと、全国民のさぶろうくん敵に回してるよ」さすが姉御肌。
「ごめんごめん、でもラブストーリーの主人公の名前がさぶろうは渋すぎっしょ」
(ガラガラガラ)
ドアが開く音がした。帰りのSTのため、担任先生が入ってきた。岡田広志先生。28歳ってこの学校では数少ない若い先生の方だけど、関西人で明るすぎるこの先生は、恋愛映画みたいな先生とはかけ離れている。
「みんな、席替えするで!!もう名簿順飽きたやろ!」
昔はワクワクしていた席替えも、今やどうでもいい。
だって共学だけど、あの子の隣になりたいとかいう目当ての男子がいないから。
「じゃあ順番にくじ引いていってくれや」
結果は、真奈美と由佳と七海はいい感じで後ろの方に固まった席で、私だけ窓際の一番前。隣は…
「ささ佐々木三朗です」
「あ、さがやたら多い…よろしくね」苦笑いしかできない。
「ほな、明日は小テストあるからしっかり勉強してくるんやで」
中高部活漬けだった私にとって、こんなに早く帰れるのは久しぶりだった。3人とは少ししか帰り道が一緒じゃなく、途中から1人になる。歩いていくと、向こうから自転車がきた。どんどん近くなってきて、通り過ぎようたした時に、
「美紅?」
「え?」
よく顔を見てみると、
「三郎?」
「久しぶり」
「久しぶり」
私たちはよそよそしく言い合った。
「部活引退したのか?」
「そうそう。そっちも?」
「俺はもうちょい前かな」
そんな話をしながら帰った。久しぶりすぎて何の話をしていいのか分からなかったけど、静かになっても全然気まずくなかった。
このどこにでもありそうな偶然の再会から、まさかそんな展開になるなんて、想像もしていなかった。