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スキルの検証

喫茶店をでてすぐに、俺はロゼに一つ質問をする。


「ロゼ、一つ聞きたいことがあるんだけど...」


「ん?なぁに?」


ロゼが振り向きざまに首をこてん、と傾げる。


「あのさ、ロゼは1人で冒険家をやってるの?」


冒険家とは本来パーティーを組んで複数人で行動するものだ。しかしロゼの周りにはメンバーらしき人が1人もいない。


「んー、本当は2人かな。今は用事で外してるだけよ。」


へぇ、そうだったのか。ロゼの唯一のメンバーか、俺も会ってみたいな。


「元々私は二つの属性を持ってるから受け入れられないし、彼女もわけあってあまり人と馴染めないの。」


彼女ーーーーとは、唯一のメンバーの事だろう。


「でも、二人って結構不便じゃないか?」


パーティーには役職がある。ダンジョンのマップ的存在のサーチャー、後衛で味方の援護に回るヒーラー、攻撃の要となるアタッカー、魔法攻撃でアタッカーを援助するウィザード、自ら盾役となり敵の攻撃を引きつけるガーディアン。この5人の陣形がパーティーの基本となる。と習った気がする.....


「案外2人でも行けるわよ。私が主に前に出て、アタッカーとガーディアンを務める。そして彼女がヒーラー、サーチャーを務めてるから問題ないわね。」


んー、本当に大丈夫なのか?少し不安になるが、ロゼが問題ないと言うなら大丈夫なのだろう。それにーーーー


「今度からは三人だ。」


「.....うん。そうだね!!!」


そう言ったロゼが嬉しそうに笑う。ロゼの笑った顔に俺もつられて笑いながら目的地まで歩いていった。


目的地には数十分で着いた。こんな近い場所にこんなに広い所があるなんて。


「ここは新しいスキルを試すには持ってこいの場所なの。殆どの冒険家達は新しいスキルを得たらここで試しているわ。」


「そんな場所があったのか、知らなかった。」


よく見ると冒険家と思わしき人達がちらほら見える。が、それでも空間がありあまるほど広い。


「ええ。じゃあ、早速始めましょうか。」


「あぁ、そうだな。」


「じゃあ、取り敢えずこの前のスキルを発動させてみて。」


この前のスキルとは、グラビティ・ワールドの事だろう。


「ああ、分かった」


俺はスキルを発動させる。すると俺の周りに黒い円が現れる。


そして俺達は、グラビティ・ワールドの効果持続時間や再発動にかかる時間などをおおまかに図った。その結果、持続時間は約二分。再発動には約二秒。という事がわかった。


「ふう。これでこのスキルは終わりね。」


「ああ、そうだな。少し休むか?」


「ううん、大丈夫よ。次は闇玉?だっけ?を調べましょう。」


「了解」


ほんの少しの会話を交わし、俺達は再びスキルの試しをつづける。


「じゃあ、発動してみて。」


ロゼの合図により、俺は闇玉を発動させる。

すると、発動させた場所の地面を中心に黒い球体が発生し、それは近くにある岩などを全て吸い寄せていく。


「きゃぁぁ!?」


まずロゼが悲鳴を上げる。


「なんだあれは!?」


近くにいた冒険家達もとても驚いた表情で見つめている。


そしてその球体は10m位にまで膨張し、ブォォーンという音を立てて破裂した。吸い込まれた岩は跡形もなく消えていた。


「ロゼ!大丈夫か?」


俺は急いでロゼに声をかける。


「ええ。私には魔力無効の加護が付いているから。それが無かったら今頃球体に吸い込まれて木っ端微塵よ.....」


「あはは、ごめんごめん」


闇玉は相当な威力だった。それに、ただ破裂するのではなく、近くにあるものをどんどん吸い込みながら破裂する。使い方によっては強力なスキルになりそうだ。しかし、


「このスキルは、ここではこれ以上発動させない方が良さそうね.....」


「.....ああ、そうだな。」


こうして俺達は闇玉を調べる事を断念した。


「さぁ、気を取り直して、最後はオーガの二つの加護も試してみましょうか。」


「あぁ、そうだな。

自動反撃の加護は何となく分かるし、セシリアの加護だけでいいかな?」


物理攻撃は同じ威力で相手に返すが、遠距離からされた攻撃は返せない。ここへ向かう途中にロゼから説明された。


「ええ。それでいいと思うわ。」


「了解。確かセシリアの加護の力は.....自分の体や武器に属性投与が可能となる.....か。」


「なるほど。それなら、自分の属性を自分の好きなように操らなきゃだめってことかな?」


ん?どういうことだ?ロゼには何か分かったのか?


「.....何が何だかさっぱりって顔してるわね。」


「.....よくご存知で.....」


「だと思ったよ.....じゃあまず、ある程度の練習が必要なんだけど、属性は自分の好きなように操れるの。例えば、火属性なら炎で盾を作って攻撃を防ぐ事も出来たり、極めれば絵も描けるようになるわ。」


炎で絵を描くのか。やってみたい。


「でも、体や武器に属性を投与するって私も聞いたことがないわ。」


「まぁ、そうだよな。でも聞いた感じ今はまだ出来そうにないな。」


「そうね。じゃあこれもまた次の機会にしましょうか。」


特に異論はないので、俺はロゼの提案に賛成する事にした。


「今日はありがとう!おかげで自分のスキルの事がだいぶ分かった気がするよ。」


そういって俺はロゼに頭を下げる。


「ううん、気にしないで。それより...もうすっかり暗くなっちゃったね。」


「ああ、そうだな。.....もし良かったら家まで送ろうか?」


そう俺は提案する。そう言えば、ロゼはどの辺に住んでいるのだろう。この街、なのかな?


「あのね、オーガ。もしオーガが良かったらだけど、今夜は私を家に泊めーーーー」


ロゼが何かを言っていたが、それは何者かの声によって中断された。

最後まで見てくださった方本当にありがとうございます!小説は初心者ですので、アドバイスなどあれば是非ぜひお願いしますm(*_ _)m

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