ロゼの秘密
ロゼが自己紹介をする。そういや、俺がロゼについて知っているのは名前くらいだったな.....
「名前はもう知ってるよね」
「あぁ、知ってるよ、ロゼ・リーファ」
「ふふっ、ありがと!」
ニコッと笑い、ロゼは続ける
「歳は17歳。学校は15歳の頃には卒業して、今は冒険家をしてるわ。」
15歳で卒業って事は飛び級したって事か?.....そりゃすごい。
「でも、どうして冒険家に?」
そう。なぜロゼは冒険家になったのか。俺が1番疑問に思っている質問をロゼにぶつける。
「私の両親が冒険家だったの。でも、数年前に魔物の手によって殺されたわ。」
そう言うと、ロゼの顔が少し暗くなる。.....こういう時、どんな言葉をかければいいんだろう。
「あ!でももう気にしてないから大丈夫だよ!ごめんね、重い空気にしちゃって。」
ロゼが謝る。気にしてないって言うのは多分嘘だろう。俺は話を変えることにした。
「でも、両親が魔物に殺されたっていうなら、尚更なぜ冒険家に?」
「もし私がほかの職についたら、両親を殺した魔物から逃げたと言うことになる。それがどうしても嫌だった。」
そういうロゼの目は、真っ直ぐだった。
両親を魔物に殺され、それでも逃げずに魔物と一人で戦う女の子。ここで俺が、冒険家になる事を断り、逃げるわけにはいかないだろう。
俺の答えはもう決まった。
「俺、なるよ。冒険家に。」
あぁ、言ってしまった。
「えっ?.....ほんとに!?」
一瞬キョトンとした表情だったが、直ぐに嬉しそうな表情に変わった。
「やった!ありがと!」
.....とても嬉しそうだ。しかし、何故こんなに嬉しそうなんだろう。仲間が出来たからか.....?
「??どうしたの?オーガ」
「いや、何でもないよ。それより自己紹介の続きしようぜ。相棒。」
茶化すかのように俺が言う。しかしロゼは.....
「相棒.....」
と呟き。カァっと顔が赤くなる。やっぱり仲間が出来て嬉しかったんだな。
「こ、コホン。じゃあ、自己紹介の続きするね。」
そう言うとロゼは話し出す。
「実は私は属性が2つあるの。」
「.....そうだったのか.....」
人間は9割以上が属性は一つだ。しかし、ごく稀に属性を2つ持った人間がいる。その人間は二属性のスキルをおぼえれる。とても優秀な能力を持っている。
しかし、
「.....差別か。」
優秀な故にに差別を受ける。という難点もある。
「でも、どうしてそれを俺に?」
自分でいうのもなんだが、俺達は出会ってまもない。そんな奴に言っても良かったのだろうか。
「私は今まで、ずっと隠してきた。だけどオーガなら、大丈夫だと思ったの。」
ロゼは俺のことを信用してくれているのか?もしそうじゃなくても、ロゼは俺に秘密を話してくれた。なら、俺も話すべきだろう。神のスキルのことを。
「安心して、ロゼは仲間だ。属性を2つ持ってるからって差別なんてしない。」
「あり...がとう。そう言ってもらえたのは初めてだよ.....。」
そう言ってロゼが涙をこぼす。...よっぽど辛かったのだろう。
「当たり前だよ。むしろ嬉しい。ありがとう、俺なんかに話してくれて。」
俺は出来るだけ優しくロゼに言う。そして、
「次は俺の番だ。聞いてほしい。」
と言うと。ロゼが涙を拭き。顔を上げる。
ロゼがそうしてくれたように、俺も覚悟を決めて全部話そう。
「うん、分かった。」
ロゼが頷いてくれた。
そうして、俺の自己紹介が始まった。
少し短いですが、最後まで読んで下さった方ありがとうございます!
初めての作品ですので、アドバイスなどを頂けたら嬉しいです!