恋愛不適合者
「ゆきーーーぃ。明日のコンパ来てよー」
『あーーー。ごめん。明日仕事終わるの遅いから』
「最近それ多くない?何が忙しいの? 次は来てよね」
『はいはい。ごめんね。』
社会人3年目を迎えた。
憧れの新聞社に入社し、
仕事には何も不満のない日々。
休みのたびに友達と遊びまわり、
毎日が楽しくて、充実した人生!
周りにもそう思われていたし、
自分自身もそう思ってきた。
笹倉柚紀(25)
性格明るめ、冒険心強め
アウトドア大好き。
友達多め、何事にも運がいい。努力は苦手。
自分で言うのもなんだけど顔は上の下?くらい。
何もかもなかなか順調。
たった一つのこと以外は。
「ゆき最近、付き合い悪いねぇ。」
「好きな人でも出来たんじゃない?」
「ないない。」
「ないないないない」
「あの恋愛不適合者にかぎって...」
『おーーーーーい!聞こえてるぞ!』
「だってそうじゃんんん!!!!!
何年彼氏いないのよ!!!!!」
好き勝手いうなぁ...
と思いながら指をおりたたむ。
1.2.3.4.5....
『あぁ。やばいもうすぐ6年目だ。』
同僚の女の子はくすくすと笑っている。
指は片手で足りなくなった。
大学2年の頃、
みんなの憧れの先輩と付き合い
2ヶ月で別れたのが最後。
いつの間にか周りには
「恋愛不適合者」 と呼ばれていた。
そんな時、携帯が鳴った。