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ギルド長

何か夏って疲れますね。大変です。

部屋の中には幼女がいた。


某合衆国の大統領が使う様な豪華な机に、大企業の社長椅子みたいなフカフカの椅子。何言ってるか分からんがとにかく偉い感じの机に椅子。その上に幼女がいた。

そのアンバランスな光景に俺は笑いを堪え切れない。


「取り敢えず座るのじゃ」


そう言って俺に席を勧める。


「何故貴様がここに呼ばれておるかは分かっておるな」


「水晶玉の事だろ」


幼女は華奢な指をパチリと鳴らし、正解じゃと言ったように俺を指差した。大人ぶりやがって。


「儂はレスティラ・ワイヤック。冒険者ギルドのギルド長をやっているものじゃ」


「俺は佐々木悠真。ここだとユーマ・ササキになるのか、だ」


「ほう!冒険者のくせに性持ちなのか!」


幼女、レスティラは驚きながら俺を見てくる。俺もお前に驚きだよ。


「珍しいのか?」

笑いたい気持ちを押さえつけ冷静に問う。


「そうじゃな。性を持っている者は大体、貴族や大商人にしか居ないからの」


そうは言っているがギルド長さまも性があるじゃないか。


「ギルド長にもなるとそこら辺の貴族より力があるからのう」


そういうものなのか。幼女なのにな。


「話がそれてしまったの。本題に入るとする

かのう」


そう言ってレスティラはまた指差しを鳴らし、平原の様な胸元から1枚の紙を取り出した。幼女だからな。


「これは何だ」




「これは『具象化装置』と言ってな。おぬしの魔力マナの能力をより正確に測る魔法道具じゃ」


この装置におぬしが触れるとおぬしの力が具象化し、この紙に収まるのじゃ。そうすることで、隠された力も見ることが出来るようになるとレスティラが言う。


ゴチャゴチャとわけがわからん。俺にも解るように言ってくれ。


「要は正確な道具で力を測るということじゃ」


おお。テレパシーが通じた。最初からそう言ってくれよ。


「物は試しじゃ。どれ触ってみぃ」


レスティラ(幼女)が差し出した紙に触る。


バァァァァァン!!!



一瞬にして視界が光に包まれた。強烈な光だが決して眩しくなく、暖かく俺を包み込む。まるで別の世界にいる様だーー いや、実際に異世界にいるんだった。


そんな事を言っている場合じゃないな。




「ほぉ! これは!!」


いつの間に測り終えて居たのか幼女が興奮した様子で紙を見せてくる。


そこには剣と盾を持った女の絵が描かれていた。それにしてもこの絵誰かに似てるな。誰だったか。


「で、これはどういう結果が出たんだ」

詳しい事は聞かされて居なかったためまだ興奮しているレスティラ(幼女)に少しイラつきながら問いかける。さっきから俺の顔に唾を飛ばしているしな。可愛いからいいけどな。



「大体冒険者は動物の姿が具象化することが多いのじゃ!商人や農民は妖精や植物などの姿になる事が多いのう。動物の姿は攻撃スキル。妖精や植物のスキルは支援スキルになるのじゃが……」


詳しい説明をされたがやっぱりよくわからん。



「よく知ってるな」

何かもうめんどくさいので俺が褒めた振りをするとレスティラは誇らしげに腕を不自由な胸の前に組んだ。幼女だもんなー


「儂を誰だと思っておる。天下のギルド長様だぞ。この程度当たり前のことじゃ」


「じゃあ俺のこの絵は何なんだ?」


「知らない」



ここで初めての沈黙。







「儂だってこんなの見たことがなかったんだもん!」


しょうがないじゃないーーと若干キャラが崩れかかっている役立たずギルド長(幼女)は悔しかったのか少し潤んだ目で俺を見つめてくる。


「もう知らない!貴方の事は『未知の世代』に登録しておいてあげるから今日は帰って!」


完璧にキャラが崩れたレスティラが机に突っ伏して言う。なんか腹立つ。が相手は幼女だ。落ちつけ。俺。


「なぁレスティラ。『未知の世代』ってなんだ?」


「そんなことぐらい自分で調べなさい!」


レスティラがギルドの職員を呼び、本格的に俺を追い出そうとして来る。


俺は職員に促されるままそのままレスティラの所を後にする。


べ、別にガチムチの職員さんが怖かった訳じゃないんだからね!



「本日はご迷惑をお掛け致しました。まだ冒険者登録がお済みでないのでまた後日お越しください」


最初に気絶した人に受付まで送り届けてもらい俺はギルドを出た。



太陽が沈む頃だった。俺はまだ無一文。


予定では今頃宿で異世界に来た喜びを噛み締めている所だったのに……


俺は虚しく、寝心地のいい芝生を探す旅に出た。あすに向け、より良い睡眠をとるためにーー



今回は幼女が説明をしていたので簡略化しましたが、ちゃんとした説明をして欲しい人もいらっしゃると思うので後日少し設定を公開したいと思います。

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