表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

柵の中より

作者: 桜ノ宮潤雅

僕はずっとこの柵の中にいます

ときどき かわいい! と女の子が駆け寄ってきたりします

僕はなにも物言わずここから柵の外を見ています

ある日沢山の白と黒の車がやってきました

慌しく沢山の人が走り回っています

僕の耳に聞こえる会話の中に「殺人」「事件」「犯人」「被害者」そんな言葉が聞こえてきます

その時青いシートにくるまれようとしている女の子を見ました


あ、その子なら知ってるよ

さっき僕の頭をかわいいと撫でてくれた子だよ

そのあとその子が倒れているところで一緒に来た男の人と喧嘩になってその子は急に倒れたんだよ、声も立てずにね

その時の男の人 僕は知ってるよ ほら集まって見てる見物人の中にいるよ 黒い服の

ほらそこに 


じっとその様子を見ている僕に気付いた刑事さんと呼ばれていた男の人がが僕の頭を撫でながら呟きました

「お前、なんか見てたか?馬が目撃者じゃな~、お前が喋れれば聞いてみたいよ」


そうだね 貴方が馬の言葉を理解できたならね・・・・・

あの黒い服の男の人の姿はもう見物人の中にはありませんでした



僕は今日も柵の中にいます

そしてときどきかわいい!と言われ女の子に頭を撫でられているのです

そうあの日のように


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ