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かなり、短いです。


あれだけ暑かった京の夏も終わりが近づいていた。


峰岸は斉藤にきつく言われてから、それまで以上に鍛錬に励んでいた。

今では、平隊士同士の打ち合いで3本に1本は取れるようになった。


「ってことは、3本に2本は取られてるってわけだ。全然成長しねぇなぁ、青藍?」

「微々たるものですが成長していると思っていますが。原田さん。…それに、3本に1本は勝ちで、もう1本は引き分けです」

「おいおいおいおい。引き分けってぇ、馬鹿言ってんじゃねぇよ。そんなの、実戦じゃあ死んでるも同然だ。自分のケツぐらい自分でふけよな」


一度は言い返した峰岸だったが、原田のさらなる追い討ちに、うつむいて、唇をかんだ。

あまりにもその通り過ぎて、それが自分でもわかっているから余計に歯がゆいのだ。


「…はい。そうですね。やはり自分が甘かったです」

「いや、青藍。お前さんは確かに成長してるぜ。…左之、あんまりいじめてやるな」

「分かってるって八っつあん。でもよ、青藍の奴が真に受けすぎるんだ」


こっちは半分軽口だってぇのに、と原田は不満げに呟く。


「とはいえ、原田の言う事には一理ある」

「っ!びびったぁ。あんたか、土方さん」


いつの間にか、三人の背後に土方がいた。


「決めたぞ。峰岸、お前明日の巡察取り止めろ。代わりに、御用改めに入れ」

「えっ」

「しくじったら、即死ぬと思え」


言うだけ言って土方は歩き去った。


「おいおい、マジかよ」

「…御用改め、ですか」

「聞いた話じゃあ、今回は当たりらしい。青藍、…大丈夫だ斉藤がいる…はず」

「…ちょっと、一人になってきます」


心なしか、峰岸の顔色は青ざめていた。


「相変わらず、鬼だな。土方さんは」

「まあ、あの人のことだから、何か考えがあるのだろうが」


不憫だな、青藍。


言葉にせずとも、二人ともそう思っていることは明らかだった。


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