表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/25

目指せ借金完済!~ウェイトレスサクヤ~6

大分間が開いたのです。申し訳ないのです…

「いててててて…」


 アケミが落ちたのは、青白い光を放つ水晶が無数に、それでいて整然と立ち並ぶ鍾乳洞のような広い空間だった。強力な魔力が空間全体に満ちていてサツキでなくとも魔力酔いしそうな濃度だった。

 腰をさすりながら、周囲を見渡す。これ、治癒術式で治るかしら…。


「それよりも、ここはどこ…」

「ここは動力炉だろう」


 その時、すぐそばで水晶の影から、その中性的な声とは合わない、厳めしい口調の言葉が聞こえた。


「!アキラ、大丈夫だったの?」

「ああ、落ちる寸前にサキが能動型防御アクティブガードを全員に起動させていた。あの水晶に直撃でもしなければおそらく無事だろう」


 しかし、なぜかアキラは柱の影から姿を現さない。


「?どうしたの?早く出てきなさいよ」

「い、いや…。その、なんだ…」


 だが、いつもと違い妙に歯切れの悪いアキラ。


「なによ、もしかして怪我でもした?」


 それなら急いで治療しなければと、柱に近づくアケミ。

 その気配を感じて、さらに慌てるアキラ。


「だから、あの…、お前の服がだな…」

「………」


 ピタリ。

 アケミの足が止まった。

 柱の陰で、その中性的でクールな顔にダクダクと冷や汗を流すアキラ。

 そう、アケミの服はサツキの攻撃のせいで、スカートは膝上三十センチ、シャツはへそ出しというより下乳出しという下手な水着より扇情的な格好になっていたのだ。

 アキラの脳裏ではかつての魔法士官学校での惨劇が思い出されている。

 なかなか外出も許可されない禁欲的な生活を強いられる中、男子生徒の一部(だが、全体の半数を超えていた)が女子の入浴シーンを覗くべく、首相官邸より守りが堅いと称される女子浴場を襲撃したのだ。

 結果、その守りは突破できたが、気配を察知した女子の集中砲火を浴びて突入部隊は全滅。逃走を図った一部も捕縛され、その後全員がアケミに逆モヒカンにされるという屈辱を味わったのだ。

 アキラ自身はそれに参加していなかったが(というか、アキラが女子の覗きの対象にされた事がある)その後十字架に縛られ、無表情にアケミに火焔魔法の練習台にされている男子生徒の姿は見た事があった。その情け容赦ない行動に恐怖したものだ。


「…見た?」

「いや、見てない!」


 すでにこの反応とさっきの言葉でばれているのは明白だったが、だからといって見ましたとは言えないアキラだった。

 水晶の影に隠れながら、必死に状況打破の手段を模索するアキラ。気分は龍の群れに取り囲まれた状況である。

 その時、足元に突き刺さる小刀。


「…!」


 莫大な魔力を付与されたそれは一撃で水晶の床にその刀身の半分以上を突き刺し、ビーンと震えている。


「…今回だけは事故として許してあげる。早く出てきなさい」

「…ありがとう」


 柱からアキラが出て行くと、アケミは無事だった上着の上半分、その下の部分を結んで下乳だけは隠していた。スカートは相変わらずギリギリの状態である。


「…その、本当にすまない…」

「…!その事はもういいから、ここがどこなのか説明しなさい!」


 改めてアキラが謝ると、顔を真っ赤にしたアケミが怒鳴り返した。


「そ、そうだな…」


 そこで咳払い。改めて自分の推測を話す。


「おそらくここはこの施設の動力炉…地脈から魔力をくみ上げるポンプのような施設だろう」


 近くの水晶柱に触れながら続ける。


「この水晶が地下深くまでつながっていて、そこから直接地脈の魔力を吸い上げているのだろう。圧縮型魔石炉より施設が大規模になるが、半永久的に動力を得る事が出来る」


 皇室の退避拠点として、長期にわたって維持される事を考えれば、こっちのほうが便利だろう。

 そう言ったアキラに、納得の表情のアケミ。


「だからここはこんなに魔力濃度が高いのね…」

「ああ。おそらくはこの空間自体が魔力のストック場所になってるんだろう」


 二人とも、さっきから簡易防壁を展開し続けている。一瞬でも途切れれば瞬時に魔力酔いしてしまいそうな濃度だった。

 その時、青白い水晶の光を下から浴びながら、何かがこちらに飛んできた。


「サキ!サツキ!二人とも無事だったのね!」


 飛んできたのは無表情な顔に汗を浮かべたサキと、それに吊るされて幸せそうに眠っているサツキだった。


「…もう限界…」

「おっと!」


 そして、アケミ達の頭上に達した時点で、腕が限界に達したのか吊るしていたサツキを落とす。下のアキラは慌ててそれを受け止める。


「…この濃度だと、逆にサキはおとなしくなるのね」

「泥酔しているようなものだろう」


 アキラの腕の中のサキは、若干頬を赤くして寝言を呟きながら寝ている。


「さすがは第一師団の精鋭を半壊させた『狂回復者バーサークヒーラー』…」

「実際に見たのは初めてだったけど、甲種の龍を単独で始末したっていうのもうなずけるわね…」


 このサツキ、かつて本土を襲撃した甲種の龍との交戦で、迎撃に当たった第一師団の航空魔導師隊ごと、敵の龍に飽和攻撃を仕掛け、これを撃滅したという実績を持っている。戦闘エリアが皇都へのエネルギー供給の大動脈である魔力炉のすぐそばだったため、魔力酔いに陥ったのだ。


「お~い!皆いるか~!」


 その時、レイモンドの馬鹿でかい声がこの空間に響き渡った。どうやら無事だったようだ。もっとも、だれも死んだなどとは思っていなかったが。この状況を招いた元凶への同情心など誰も持ち合わせていない。


「いるわよ~!」


 アケミが答える。


「おお~無事じゃったか!それより、こっちに妙なものがあるぞ~!」

「妙なもの?」


 一体何を見つけたのかと、首をひねるアケミ。


「とにかく、向こうに行ってみよう」


 サツキを背負って、先を促すアキラ。

 そして、四人が見た物は、


「「「………」」」

「Z…Z…Z…」


 着実に時を刻んでいる、自爆装置のデジタル画面と、真ん丸な卵のような形をした魔力反応爆弾マジック・リアクター・ボムだった。






 もうどれほどたっただろう?

 ガルシア達傭兵団は、封鎖された出口近くに追い詰められたまま、ひたすら戦闘を継続していた。

 前面には巨大な長方形のシールドを並べ、昆虫や爬虫類、それにネズミなどの小型哺乳類が変異した各種魔物の突進を防ぎ、その間から槍が繰り出され魔物の頭を、胴体を、前足を切り裂き、粉砕する。

 さらに後衛の弓兵と魔導師はひたすらに敵の後方に矢と攻撃魔法を撃ち続けていた。もっとも、矢は早々と撃ち尽くし、魔導師は魔力切れで力尽きている。弓兵はすでに前線に予備の槍を抱えて突っ込んでいた。

 ひたすらに一本道が続いているため、戦線の正面が狭いからなんとか対処できているが、すでにそれも限界に迫りつつあった。


「団長、もう足の踏み場がありません!後退させて下さい!」

「クッ…!わかった、全員、後退二十歩!絶対に隊列を乱すなよ!」

「「「応!」」」


 すると、ガルシアの指示を受けた傭兵団は、一糸乱れぬ動作で後退を開始。後には魔物の死体と折れて放棄された槍、そして団員と魔物双方の無数の血痕が残された。

 彼らはこの調子で、これまで数度の後退を実施していた。だが、もう後退する空間は残されていなかった。彼らの背後にはすぐそこに閉ざされた扉が迫っていた。

 すでに状況は絶望的だった。

 背後の扉はいくら力を込めても開く気配がないし、増援などはもちろん存在しない。一緒に突入したアケミさん達やガルシア(こいつだけは呼び捨てでも許されるとガルシアは確信していた)との連絡もつかず、そして魔物はまるで何かに追い立てられるかのように、途切れることなく襲いかかってくる。そして団員達は死者こそ出していないものの、確実に傷つき、疲労し、その戦力を落としている。ガルシア自身も腕に傷を負い、簡単に布を巻いて応急処置して戦っている。

 その時


「うゎあ!」


 団員の一人が悲鳴を上げる。

 なんと、最前線で敵の突進を受け止めていたシールドの一つがとうとう力尽きて粉砕されていた。度重なる魔物の突進と、吐き浴びせられる酸のダメージでついに砕けたのだ。

 突破した魔物はその場で切り捨てられるが、開いた穴から魔物が次々と戦線を突破し、ガルシア達傭兵団に襲いかかった。


「クソ…!総員、盾を放棄!これより白兵戦に移行する!」


 それを見て、ガルシアは苦渋の決断を下す。

 もはやこうなっては全滅は時間の問題。ならば最後まで勇戦し、自らの存在をこの世界と従属を誓った剣神に捧げるのみ!

 団員達も一斉にふっきれたような表情になり、両手で支えていた巨大なタワーシールドや片手持ちの小型円形防楯を捨て去り、その手に槍と剣を構える。後ろで倒れていた魔導師まで腰の長剣を抜き、ふらつきながら立ち上がった。

 そして、目の前の魔物を斬り捨てたガルシアが、高らかと宣言する。


「皆、我らの意地と誇り、剣神に捧げん!」

「「「応!」」」


 そのまま、目の前を埋め尽くす魔物の群れに突入しようとした瞬間。

 チュドーン!


「な………!」


 先頭を切って突撃しようとしたガルシアの目の前で右手の壁が木端微塵に吹き飛んだ。同時に廊下の右半分を覆い尽くしていた魔物が肉片と化して周囲に撒き散らされた。

 呆然としているガルシア達。その時、壁の穴から何か話し声が聞こえて来た。


「ちょっと!あんたまたなんて事しでかしてくれてるのよ!?」

「わしの直感が、ここを壊せと叫んだのじゃ」

「あんたはどっかの犬か!?」


 さらに新たな爆発音。同時に人影が穴から飛び出してくる。


「レイモンド!」


 煙を引いて穴から飛び出してきたのは、まぎれもなくこの状況を招いた元凶にして依頼主でもあるレイモンドだった。服が焼け焦げていて、どうも火系統の魔法を食らったらしい。それでもやたらと元気だったが。

 さらにその後ろから、アキラと、アキラに羽交い絞めにされながらもなおその杖をレイモンドに向けて振り下ろそうとするアケミ(服が目に毒な状態になっている)、浮遊魔法で支えられて安らかな顔で寝ているサツキと、それに紐をつけて引っ張っているサキまで現れた。


「みんな、生きていたのか!?」


 てっきり全員死んだと思っていたガルシアが、歓喜の叫びを上げる。

 それを聞いて、ようやくガルシア達の存在に気がついたアケミ達とレイモンド。


「ウソ!?ホントにこんなところまでたどり着くなんて…!」

「うむ、やはりわしは神の加護を得ているのじゃな」


 もはや呆然を通り越して愕然とした表情を浮かべるアケミと、どこから来るのか理解不能な自信の表情を浮かべたレイモンドの対比が印象的だった。

 しかし、その表情もすぐに改められ切迫した様子になる。


「全員、急いでここを脱出するわよ!」

「何事だ?」

「地下に自爆装置があったのよ!遺跡をまるごと吹き飛ばすような代物がね!」

「なんだと!?」


 それを聞き、絶望するガルシア。


「…駄目だ…。この奥の扉が封鎖されている。我々では開く事が出来ない…」

「はぁ!?アキラ、今すぐ開けてきて!」

「まったく、人使いの荒い奴だ…」


 愚痴りながら、腰の刀に手をかけたアキラが、駆け足で奥に向かう。


「後ろの魔物は任せたぞ」


 去り際に、アキラが短く問いかける。


「当り前でしょ、私を誰だと思ってるの?これでも第三皇女親衛隊だったのよ」


 そして、そのまま杖構え、眼前の通路から押し寄せる魔物の群れに照準を合わせる。


「悪いわね。あんたたちに恨みがあるわけじゃないけど、ここで死んでもらうわ」


 アケミが魔力を込めると、杖の先に白い光が収束し始める。

 それが極限に達した時、


「灰燼に帰せ『聖光ソーラーレイ』!」


 次の瞬間放たれた白い熱線は、通路を一直線に進み、その進路上魔物を焼き尽くしながら通路の先のT字路の金剛装甲を蒸発させた!

 熱せられ、赤い光を放つ金剛装甲に照らされ、爆発で生じた風に亜麻色の髪をなびかせるその姿は、凄絶なまでに美しかった。


「はぁ…。これで私の仕事は完了。後は任せたわよ」


 さすがに若干疲労した様子のアケミ。少し息を乱しながら、その眼は自らの背後で意識を集中しているアキラに向かっていた。その口が小さくつぶやく。


「失敗したら許さないんだから」


 口ではそういうアケミ。

 だが、その眼はアキラの成功を欠片も疑っていなかった。






(どうやらアケミは自分の仕事を果たしたようだな…)


 背後で生じる爆風と背中を焦がす熱に、研ぎ澄まされた精神の中でアキラはアケミがその役目を完璧に果たしたと確信した。


(なら、ここで失敗するわけにはいかないな)


 閉ざされた扉の前で、アキラはあくまでも自然体で立ちつつ目を閉じている。

 代わりに、剣を極めた者だけが会得出来る『心眼しんがん』をもって扉を静かに見つめている。

 すでにその『眼』には、おぼろげに自らが断ち切るべき場所が浮かび上がりつつある。だが、あと僅かに足りない。

 時間は迫りつつある。だが、アキラは慌てず静かに立ち続ける。

 その時、背後から聞かせるつもりがないと分かる小さな声が聞こえた。


「失敗したら許さないんだから」


 それを聞き、微かに唇の端を持ち上げるアキラ。どちらにしろ、失敗したらまとめて全員吹き飛ぶのだ。許すもへったくれもないだろうに。

 そして、その声に成功を疑うような気配は全く感じられなかった。


(なら、期待にこたえねばなるまい)


 瞬間、『えた』

 その瞬間、アキラの刀はその刀身に研ぎ澄まされた魔力を纏いながら、一気に鞘から抜き放たれる!

 ―――チンッ。

 聞こえたのは、刀を鞘に納める音。

 そして沈黙。

 見守っていた傭兵が、失敗かと思った瞬間…。

 ズッ…!

 分厚い扉が鏡のような断面を見せながら、いくつかの大きな塊に分断されて崩れ落ちて行った。

 自らの仕事を終えたアキラが、背後のアケミに告げる。


「終わったぞ」

「さすがは剣術師範。やるわね!」


 そう言って拳を突き合わせる。

 しかし、余裕があるのもここまで。


「全員、急いで遺跡から離れなさい!」


 それを聞き、これまで状況を半ば呆然と見詰めていた傭兵団の面々も慌てて遺跡の外に走り出し次々に遺跡を脱出する。

 さらに、最後尾を走るレイモンドが渾身の一撃を扉の残骸の手前の床に叩きこむ。


「フンッ!」


 その一撃で床は粉砕され大穴が穿たれる。

 背後から焼けた床を、仲間の死骸を踏みつけて突き進んでいた魔物の群れもこれには立ち往生する。前を行く者から次々に穴に突っ込んでみるみる穴を埋めて行くが、さすがに時間がかかる。

 その隙に、全員が遺跡からある程度の距離をとる。

 その時。

 カッ―――!

 青白い閃光が全員の視界を埋め尽くした。


「―――!」


 声にならない悲鳴を上げながら目を覆う全員の耳に、凄まじい轟音が響く。

 数十秒が経過し、アケミがうっすらと目を開く。

 そこには凄まじい土煙と、半径は一キロを余裕で超える巨大なクレーターが出来上がっていた。扉のあった場所だけポツンと取り残されて、なんともシュールな光景だった。


「これで一件落着ね…」


 さすがのアケミでも、ここまで盛大な破壊の光景は見た事がなかった。半ば呆然としながら呟く。

 周りの皆も半ば虚脱状態である。

 だが、事態はまだ終わっていなかった。

 不意に殺気を感じたアキラが、とっさに刀を抜き放ち背後の森から迫った漆黒の鎌―――いや、足の一本を防ぐ。


「なっ!まだ生き残っていたのか!?」


 なんと、襲いかかってきたのは、先ほどの鬼蜘蛛だった。

 しかし、さすがの鬼蜘蛛も先ほどの施設の自爆で多大なダメージを被り、八本あった足は五本まで減り、漆黒の胴体の到るところが焼け焦げ、削られ、体液を染み出させている。

 しかし、その赤い目に宿った殺気にはいささかの衰えもなく、ただ目の前の獲物を狩るという本能だけを宿している。

 それに対し、アキラは一度鬼蜘蛛の攻撃を防ぐと、素早く距離をとり体勢を整える。

 同時に、アケミとサキ、傭兵団の面々にレイモンドもそれぞれの武器を構え戦闘態勢に入る。先ほどまでは建物の中という事でこちらが不利だったが、ある程度開いた場所に出てしまえばこちらのものだった。まず負ける心配はない。

 だが、本当の脅威は、鬼蜘蛛ではなかった。

 全員、依頼に書かれていたある事を完全に忘却していた。


「…あ…」


 サキが後ろを振り向いて、小さく声を漏らした。

 それにアケミ達が反応する前に、頭上を黒い影が通り過ぎた。

 そして、

 グシャッ…!

 唐突に、目の前の鬼蜘蛛が踏みつぶされた。

 これまで、ガルシアの一撃にも耐え抜いた頑丈な胴体は完全に残骸と化し、五本の鎌状の足だけが奇妙なまでに原型をとどめて投げ出されていた。

 全員が、恐る恐る鬼蜘蛛を踏みつぶした存在を見上げる。

 そこにいたのは、全長五十メートルを超える、巨大な『龍』だった。豊富な龍脈の魔力を浴び続けた巨体は美しい蒼色あおいろに染まり、全身を一枚一枚が人間の顔ほどもある頑丈そうな鱗で覆われている。

 見たところ、鱗には傷一つなく、つい最近に脱皮したばかりだと思われた。


「…ねえ、たしか依頼書には『竜』と書いてあったわよね…?」

「…たぶん、調査の後に脱皮したんだろう。まだ鱗が真新しい…」


 おいおい、という表情で眼前の龍を見上げるアケミとアキラ。


「………」


 無言で杖を構えるサキ。


「剣神よ、なぜにこれほどの試練を!?」


 あまりの事態に絶望に嘆くガルシア。


「ふむ、なかなか手ごたえがありそうじゃの」


 悠然とハンマーを構えるレイモンド。

 そして、


「え、ここどこですか…?ていうか、いきなり大ピンチ!?」


 ようやく起き上がって、目の前の状況に目を白黒させるサツキ。

 混沌とした状況の中で、今回の依頼で最大の戦闘が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ