オママゴトで発覚した衝撃の新事実!(雑誌記事2023年10月号)
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タイトル
「骸欠血損する食品群に関する一連の報告書」
キャッチコピー
「 関係者はメニュー表にない料理を絶対に出さないでください 」
ジャンル
「ホラー(モキュメンタリー)」
作品リンク
https://kakuyomu.jp/works/822139836343947661
掲載:ゴシップ雑誌『週刊●●●●』2023年10月号
取材および構成:編集部特別調査班
※本誌は同年12月号をもって廃刊している。理由は非公表である。
(見出し)奇妙な自殺の裏側に潜む、もうひとつの真実!
今からおよそ3年前、滋賀県●●市の閑静な住宅街で起きた、ある種、異様な自殺事件を覚えている読者も多いだろう。
新聞の小さな三段記事に載ったそれは、「男性が風呂場で右手を切断し、自ら命を絶った」というショッキングな内容であった。
報道当初は「精神的な不安定による孤独死の延長としての自殺」などとされて、地域では一時的に話題となったものの、やがて人々の記憶からは薄れていったのだった。
しかし、我々が独自に取材を進めるうちに、この事件にはまったく別のもうひとつの真実が存在していたことが明らかになったのだ。
そしてその糸口となったのはなんと!
近隣の小学校で流行していたオママゴトなのである‼
(見出し) 子どもたちの「ままごと」が「ままごと」ではなくなった!
当時、事件現場からほど近い小学校では、1年生から2年生の間でいわゆる、ごっこ遊び、が流行っていた。
ごくありふれた遊びではあるが、この時はやっていた内容は、少し変わったものであった。
子どもたちは単に「ままごと」ではなく、実際に料理を完成させるという、ごっこ遊びをしていたのである。
どういうことか?
「はぁ。あんまり言いたくないんですけど……。もう過ぎたことですんで。まぁ、ええ、いいですけど。ええと、確かこういってましたねえ。『みんなで本物みたいに作るの。ごはんとか、さかなとか、おにくも』と……」
取材に応じてくれた当時の児童の母親の一人はそう回想し話してくれた。
彼女は当然ながらその遊びを、無邪気なごっこ遊びだとしか思っていなかったという。
子どもたちはそれぞれに担当を決めていたようだ。
お米係、魚係、お肉係、野菜係、味噌汁係、果物係、そしてお酒係である。
違和感があるのは、メニューが余りにも大人向けであることだ。
普通、こういったごっこ遊びでは、子供たち自身が食べたいメニューを作ろうとする。しかし、この担当を見る限りそうではない。
むしろ、何かの宴か、あるいは神饌《しんせん=祭壇に捧げる食べもののこと》のような献立だ。
だが、小学生がそんな食材を実際に持ち寄れるわけがない。
そのため、普段は粘土や泥を使って似せたものを作る。
「これはおこめね」
「これはおさかな」
と言って遊ぶのが常であったようだ。
……そう、これがいつもの光景であった。
しかし。
(見出し) 事件当日、すべてが本物になっていた!
事件が起きたのは、10月中旬の晴れた午後であった。
近所の公園で、子どもたちはいつものようにおままごとを始めた。
だが、その日、遊びに参加した6人の子どもたちは口を揃えて言ったそうだ。
「きょうはね、ほんものをつかうの」
保護者はみんなそれを微笑んで聞いていたという。
いつもそう言いながらも、粘土などで模造品を作って遊んでいたからである。
つまり、本気にはしなかったのだ。
ところが、その日の夕方、子どもたちが集めていた食材を見た大人たちは、全員が言葉を失うことになった。
そう。
テーブル代わりのベンチの上に並べられたのは、なぜか炊き立ての白米、昨晩の味噌汁、熟れた柿、そして、明らかに家庭の冷蔵庫から無断で持ち出されたと思しき生魚と肉片が置かれていたのだから!
「おかしいなと思ったんです。どうして本物が⁉ ……って」
そう語るのは当時現場に居合わせた母親の一人だ。
彼女は今でもその光景をはっきりと覚えているという。
「子どもたちがすごく楽しそうにしてたんです。それで呼びに来てくれたんですよ。『用意が出来たよ。ご飯だよ。お腹がいっぱいになるよ』って。それで見に行ったら、実際の食材が並んでいたんです。特にその……。そのお皿の上にあったお肉を見た瞬間は、今でも夢に出てきます。テラテラとして真っ赤で。本当に今、切断して持ってきたっていう感じがして」
母親の状態が悪化したため、ここでインタビューは打ち切った。
(見出し)お肉係の少女が持ってきたものの真相に迫る!
さて、ここまで書けば懸命なる読者諸氏にはもう見当がついているだろう。
取材班が独自に入手した警察の、非公式メモには、次のような記録が残されている。
「女児(当時5歳)の自宅からは、血痕反応のある布袋が押収された」
「女児の供述によれば『おにくは、あのいえから、もってきた』との発言があった」
この「あのいえ」とは、そう。例の自殺が起きた現場。
男性の自宅を指しているに違いないのである!
実は事件当時、身体の一部が見つからないと警察では混乱していたのだ。
その右手が当初現場から見つからなかったのは、子どもたちがそれをままごとの食材として持ち出していたからというのである。
もちろん、常識的には考えがたい話だ。
5歳の少女がそんなものを持ち出せるはずもないし、そもそもなぜ、自殺して、しかも身体の一部が欠損した状態で存在している(持ち運ぶことができる)ことを知っていたのかも不明である。
取材班は、この少女の家庭環境や当時の証言を複数確認した。
近隣住民の話では、少女は明るく、活発で、人気者と言って差し支えない少女であった。
だが、その日以降、彼女は突然学校に来なくなり、一家は数週間後に県外へ引っ越している。
転居先は明かされていない。
(見出し) 証言「家になかったから取りに行った」の謎
警察の聴取記録によれば、女児が語った内容は曖昧で要領を得なかったという。
「だって、きょうのめにゅーは、おにくだったんだもん。そういわれていたから」
「おうちに、なかったから」
「だから、あのひとんちに、とりにいったの」
この曖昧な供述が意味するものを当時の捜査員たちは当然ながら理解できなかった。
記録によれば、少女はその後、唐突に強いショック状態となったという。
専門の児童精神科に短期的に保護された。そののちに、早期に釈放されている。
警察内部でもこの件は一旦異常事案として扱われたものの、結局、事件性自体は低いとして立件はされなかった。女児が立ち入ったのは何か偶然のいたずらであったとして処理されたのである。
(見出し) 編集部コメント
この取材をまとめるにあたり、我々は何度も奇妙な感覚を持たざるを得なかった。ただの偶然なのか、とも。だが、この事件を偶然と片付けるには、いささか奇妙な状況証拠が残りすぎている。
これは単なる都市伝説ではない。もっと大きな力が働いているのだ!
オママゴトという純粋な遊びが、いつ、どのようにして怪異と交差してしまったのか。
その接点を我々はまだ掴めていない。
我々は引き続きこの事件を追い、真相の究明に邁進していく所存である!
■付帯していた、本誌編集長のメモ
この原稿をまとめている最中、編集部に何度も電話があった。
しかし、それは子どもの声のようなノイズが何度も混ざったザラザラとしたものであった。
録音も確認している。
だが再生してもその音声は録音されていなかった。
代わりに、何か食べ物を咀嚼するようなねばついた音が微かに響くだけであった。
我々『週刊●●●●』は、この事件の続報を追う予定だった。
何か予感のようなものがしたからである。
だが、その年の12月号を最後に、突然の廃刊が決定した。
理由は編集部のうちの私を除く全員が……。
偶然だろうが事故死したからである。
ああ、私もそのうち、食材(メモはここで途切れている)
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「骸欠血損する食品群に関する一連の報告書」
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「 関係者はメニュー表にない料理を絶対に出さないでください 」
ジャンル
「ホラー(モキュメンタリー)」
作品リンク
https://kakuyomu.jp/works/822139836343947661




