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骸欠血損する食品群に関する一連の報告書  作者: 初枝れんげ(『追放嬉しい』7巻3/12発売)


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★彼との幸せな日々

 カクヨムコン11参加中です!

 カクヨムにて【先行配信】!

 カクヨムの方、【完結】しました!

 毎日19:07に更新!

 ぜひ読んでね!


ホラー部門3位に入れました。

応援よろしくお願いします!


タイトル

「骸欠血損する食品群に関する一連の報告書」


キャッチコピー

「 関係者はメニュー表にない料理を絶対に出さないでください 」


ジャンル

「ホラー(モキュメンタリー)」


作品リンク

https://kakuyomu.jp/works/822139836343947661

皆さまこんにちは。

佐倉 山羽です。


あの忌みノートを更新していた日々から、かれこれ半年以上経過しましたね。

皆様どうお過ごしでしょうか?


私は元気です。


時折こうしてブログを更新させて頂いて近況を報告させて頂いています。

皆様から頂いた食材は私の厨房に日々届いています。


感謝感謝です♪


その調理の光景は動画で公開しています。


以前も、資料の一部として、

『【グルメ板】変な店・消えた店・不思議な店 Part.12【体験談】』

で公開していましたよね?


彼のために作る料理には愛情をたっぷり込めているので、少し恥ずかしいのですが。


せっかく皆さんから頂いた食材なのですから、しっかりと皆さんに見て欲しいと思って公開を続けています。


自分で言うのもなんですが、とてもウブな恋愛をしているなと自分でも呆れてしまう限りです。


今日も皆様から頂いた食材でお料理を作りました。


皆様からは汚物のように見えているとのコメントを頂いていますが、さすがに辛口評価すぎますよ(笑)


彼はとても喜んで食べてくれているのに。


今日はこうして彼の好物の肉じゃがを作ってみました。


今から彼のところに行って一緒に晩御飯です。


こんな幸せな日々が送れるのも皆さんのおかげです。


改めてお礼申し上げます♡


作成日:2025年12月24日



▼警視庁捜査一課 記録係

件名:違法配信映像について(骸欠血損する食品群に関する一連の報告書関連)

分類:第4種危険資料(閲覧推奨レベル:不可)


上記映像は、インターネット上で断続的に確認された、直近の佐倉 山羽の映像である。


断続と表現したのは、映像は任意の端末へ自動的にプッシュ再生される形で配信され、アクセスログは残らないからである。


通信経路も追跡不能であり、明らかに通常のサーバーからの発信とは異なる挙動を示している。


映像冒頭には『彼との幸せな日々♡』とテロップが表示されている。


フォントは一般的だが、時折わずかにフォントが虫のように蠢くような歪みが発生している。


解析班によると 通常の動画編集では生成されないタイプのノイズパターンの混入だとしている。


佐倉 山羽の表情は終始にやつき、視線はカメラではなく、画面の外側。撮影空間の奥の角を見るタイミングが多かった。


さらに突拍子もないタイミングでゲラゲラと笑い声をあげ、その笑いが突然ぶつ切りに停止するなど、人の自然な反応とは相いれない挙動がしばしば観察されている。


また、調理風景は異様そのものである。


まな板の上に置かれた通称食材は、明らかに汚物と思われる塊、長い髪の付着、関節から切断されたと思われる手足などが垣間見られる。


ただし、本人はあくまでこの調理内容を「肉じゃが」だと主張しており、汚物を調理する状況との齟齬の強烈さがより不気味さを生む結果となっている。


包丁の動きは異常に滑らかで、固い筋肉の断裂音や、骨を砕く硬質音が、まるで生活音のように軽々と響いていた。


さらに、蚕が無数に徘徊している。


カメラレンズに何度も触れ、視界を白く塗りつぶす。


異様なのはカメラレンズの外側だけでなく、内側にまで入り込んだ影が蠢くのが見えることである。


そもそも撮影をどのように行っているのか自体が不明なのであった。


次に映る彼。


すなわち、2017年12月24日に死亡した三輪 遠矢である。


彼女の忌みノートにおいても、

『交通事故に関する新聞記事(2017年12月24日)』

としてその死にはひっそりと触れられていた。


その彼がいるとされる食卓では、意味が不明瞭な会話と笑い声が響く。


ただ、両者とも視線は互いではなく、虚空の一点。とりわけ天井の隅 に固定されていた。


顔色は真っ青で、科学的検証を行ったところ、体温反応も低く、まるで死者そのものの質感であるとの結果であるとのことだ。


また、当該映像を閲覧した人物は、高確率で極度の恐慌状態、錯乱、発狂などの精神異常を発症し、また数日以内に不可解な事故へ巻き込まれる。自分のいつまで大丈夫なのか。いや、今は任務を遂行しないと。


ともかく、映像の発信元は現時点で不明であり、どのようにして配信されているのか推測すら困難である。


そして。

佐倉 山羽の所在も(よう)として知れない。


ああ  それにしても  鼻   痒 



▼通信インフラ会社の技術者(個人名なし)

※映像記録:通信インフラ会社 技術ログ解析課(担当者名記載なし)

※自動流入データ(佐倉山羽関連映像)の内容確認時に抽出された映像フレームの記録


映像では、巫女と『彼』が向かい合って座っている。


両者とも、口角が左右対称に持ち上がった状態を維持している。


表情に変化はない。


テーブルには二人分の食器が並んでいる。


皿と器は端を揃えた形で整列していた。


だが、料理が減る形跡はない。


巫女の視線は、彼の右肩の後方へ向いている。


彼の視線は、テーブルの左斜め下へ向けられている。


つまり、視線が交わる場面は確認されていない。


二人の笑顔は固定されており、口角の位置が映像の冒頭と終わりで一致している。


瞬きの回数は極端に少ない。絶無の時もある。


巫女は箸を動かしているが、箸先はしばしば皿の縁から数センチ離れた位置を空中でなぞっているだけだ。


彼も同様に、料理とは関係のない位置へ箸を動かしている。


それでも二人とも笑顔を崩さず、まるで生きていた頃の動作を繰り返しているようで、奇妙さを助長する。


一方で、この動作と同時に、箸が陶器に当たるような乾いた音が規則的に記録されている。


だが、実際には陶器には触れておらず、音の発生箇所は映像から特定できない。


二人の肌の色は青みが強い。


照明の色温度は真っ赤であり、これとは全く一致しない色味で映っている。


唇の血色はない。


笑顔の形状だけが固定されている。


二十数分の映像の間、二人の姿勢や視線、表情に大きな変化は認められなかった。


カンカンカンカン……と、乾いた音だけが一定の間隔で続き、最終秒でも音は途切れず、二人は同じ笑顔のまま静止していた。


映像終了。


ああくそ もう いやだ あたまが おかしくなる


また みみが うずく


はやく ねもとから きりおとさないと

 カクヨムコン11参加中です!

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「骸欠血損する食品群に関する一連の報告書」


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「 関係者はメニュー表にない料理を絶対に出さないでください 」


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「ホラー(モキュメンタリー)」


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https://kakuyomu.jp/works/822139836343947661

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