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第ニ十一章 怒りのデス・ロード

レイナちゃんの貴重なポニーテール姿です。

廃工場内で、レイナたちは敵のトラックを確保した。周囲には緊張感が漂い、全員が心を引き締めている。レイナはエリカやハンスと共に、トラックに乗り込むべき人々の準備を急がせた。「これでカジノ跡地まで後退する。エリカ、ハンス、急いで拉致被害者たちをトラックに載せろ。」その言葉には、仲間を守りきるという強い決意が込められていた。


エリカは元気よく応じる。「了解したっす!ほら、リリー。トラックに乗って!」その声は、仲間を励ます特有の力強さがあった。


リリーは冷静に言った。「わたしは最後に乗り込むわ。まずはけが人と妊婦が先よ!」彼女の言葉には、仲間を思う冷静さと内心の緊迫感が伺えた。


ハンスがエリカに向かって尋ねる。「エリカ、マーマーン語で『トラックに乗れ』って何ていうんだ?」


「ナヂゥイ、ナトラツト(ロシア語でトラックに乗れ)だよ。」


ハンスは周囲のマーマーンたちに向かって声を張り上げる。「おい!マーマーン!ナヂゥイ、ナトラツト!」


その一方で、アディティヤは不安を抱えていた。周りの物騒な雰囲気に巻き込まれてしまうのではないかと心配しつつ尋ねる。「ラクシュミ、僕たちどこに行くの?このミュータントたちは仲間なの?」


ラクシュミは優しく微笑む。「怖い思いをさせてごめんね。もうすぐお家に帰れるよ。ミュータントたちは…仲間よ、ね?」彼女の言葉は、アディティヤを安心させようとしている。


オットーが微笑みを浮かべながら言う。「坊や、彼らは有効的なミュータントだ。もちろん、私も。それに、とっても強いんだ。安心しなさい。」彼の言葉は、無邪気なアディティヤにとって心強い励ましとなった。


「…うん、わかった」とアディティヤは頷いたが、銃を掲げて騒ぐマーマーンたちを訝しそうに見ていた。


ラクシュミはオットーの「子どもが好きだ」という発言に赤面し、内心で思った。「じゃあ、私とあなたの間に子供が生まれても安心だな!」彼女の心の中で、未来への期待が膨らんでいった。


---


一方、廃工場内では科学者主任がターラに向かって情報を伝えていた。「ターラ、今わが都市の上層部に掛け合ったところ、増援部隊を寄越してくれるそうだ。後、お前とその仲間の亡命を受け入れるとも。ただし、条件がある。」


ターラはすぐに反応した。「男性を確保しろって言いたいんだろ!わかってる!」彼女の声には焦りがにじんでいた。


「ターラ、上層部は現時点でもあなたを高く評価している。自国の男性を6人、しかも一人は発展途上の子どもだ。誰にもできることじゃないよ。これが終わったら、我が国で名誉貴族だ。」主任の言葉は、ターラに重圧をかける。


「うるさい!今は仕事に集中する!いいから、あんたはEMPを用意しろ!」ターラは自分の目的への執念を強めた。


主任はため息をつきながら言った。「兵士たちには君の指示に従うように言ってある。それで?あの救出チームを倒す算段はついたのか?何やら相手のリーダーと旧知の仲のようだが。」


ターラは目を細め、ダークな笑みを浮かべて答える。「ああ。レイナは仲間のこととなると甘いからな。奴ではなく、奴の部下を狙う。そうすれば奴の方から勝手に射線に入ってくるさ。」彼女の計画には、冷酷さと自信が宿っていた。


---


トラックに乗り込む準備を整えたレイナの声が響く。「よしみんな、準備はいいな!男性を載せたトラックが先頭!次に女性たち、次にマーマーンたちだ!エリカ、私は最後尾から煙幕を焚き、わざと遅れる。そうして敵の注意を引きつけて時間稼ぎをするから、お前たちはその隙にカジノ跡地に防御陣を作れ。廃材で1階から2階への階段をすべて塞げ。そうすれば2階から上がってくる奴らを一方的に迎え撃つことができる。」


エリカはしっかりした決意を込めた声で応じる。「了解っす!みんな、一緒に頑張ろう!」


レイナはハンスに向かって言った。「お前はオットーと一緒に遊撃手だ。元空挺部隊だってな。撹乱作戦なんてお手の物だろ?」


ハンスはドヤ顔で答えた。「レイナは人をその気にさせるのが上手いな。だが、いいぞ。やってやる、まずは廃材で階段を塞ぐのを手伝おう。その後は皆殺しだ。」その言葉には、仲間を守るための強い意志が感じられた。


トラックが出発し、レイナは一人、ジープの運転席に座る。助手席にはM4の予備マガジン、グレネード、スモークを置き、プレートキャリアのマジックテープを剥がして締め直し、ストレートの髪をかき上げてポニーテールに結ぶ。廃工場の奥から車のエンジン音が轟くのを聞き、気持ちが高揚していく。「さぁ、第二ラウンドだ」と呟き、不敵に笑った。


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レイナは視界を煙幕で覆い、スモークを貼り付け、ピンを抜く。スモークの煙が瞬く間に周囲を包み込む。運転席側に体当たりを仕掛けてくる敵のジープに窓からグレネードを投げ込み、続けて助手席側から並行してきたジープにM4で射撃を放つ。敵のジープの運転手と助手席に座っていた兵士を瞬時に射殺する。その瞬間、彼女の心は興奮で満ち、全ての戦闘が鮮明に映し出されていた。


「たかがジープ1台に何てこずってやがる!おいニーラ!手本を見せてやれ!」ターラの叫びが戦場に響く。


ニーラ(ネギ女)がRPG-7を構え、照準を合わせる。「はいよ」と応え、レイナはバックミラーでその動きを確認する。


「じゃあな、レイナ中隊長さん」と言い、ニーラがRPGを発砲。レイナはハンドルを巧みに回し、走りながらドリフトスピンをかける。RPGの弾頭がレイナのジープを通り過ぎ、前方で爆発を引き起こす。レイナは一瞬で車を元に戻し、周囲に向けた警戒心を増していく。


「レイナァァァァァ!!!」ターラの怒声が耳に届く。


ニーラは冷ややかな目で応える。「えぇ、何それ、アリかよ…」その言葉は、混乱の中でも少しの余裕を感じさせた。


---


エリカは防御陣地の完成を確認し、大声で叫んだ。「防御陣地完成っすね!リリー。男性達と奥の部屋に隠れてるっす。ここはもうすぐ戦場になるっすよ!」


リリーは果敢に言った。「エリカ、私だって戦えるわ。武器を貸しなさい。私はドン・マリアの娘なのよ。後ろでビビってる訳にはいかないの!」


マーマーンが尋ねる。「ロザーナ様、我々はどうすれば?」


ロザーナは意志を持って答える。「どうやらここで追っ手を迎え撃とうとしているようです。見たところ2階で籠城する考えみたいですね。さすが、レイナの仲間は賢い。ここは防御に向いています。マーマーンの戦士たち。名を挙げるなら今ですよ!」


「うおーやるぞー!まほろばー!」マーマーンたちが一斉に声を上げ、戦う決意を新たにする。


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