表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/24

第十四章 CQBトレーニング

レイナ隊長の頼れる副官、エリカちゃん。

カジノ跡地のキャンプに朝日が差し込む。私は部下のエリカと共に監視カメラの準備を進めていた。サヴィタが私のそばに近づき、ドローンの調整をしながら言った。「レイナ、昨夜の話だけど…お前、部下以外に信頼できる相手っていないのか?」

私が手を止めて彼女を見た。「どうしたんだ、急に。信頼か…サヴィタ、お前が頼もしいのは認めるよ。少しずつ心を開いてるつもりだ。」

サヴィタが軽く笑った。「そうか。ならいい。お前と組んでると、妙に安心するんだ。都市の連中とは違う何かがある。」

「それは嬉しいね。サヴィタも悪くないよ。意見を尊重してくれるし。」私が微笑むと、彼女が照れくさそうに目を逸らした。少しずつ、二人の間に信頼の糸が紡がれていくのを感じた。


ハンスが割り込んできた。「レイナ。オスプレイが来る。ドローンを飛ばせ。」

私が頷き、エリカに指示を出した。「ドローンを準備して。北へ向かったオスプレイを追跡するよ。」


暫くするとレイナ達の上空をオスプレイが通過した。その後ろでドローンが静かに離陸し、カジノ跡地上空を飛び始めた。映像が端末に映し出され、私たちはその動きを注視した。数時間後、オスプレイが荒野の奥に隠された秘密基地に入っていくのを捉えた。コンクリートの壁と鉄塔が立ち並び、オスプレイが着陸する姿が確認できた。私は基地に映像を持ち帰るよう命じた。


---


南門の基地に戻り、私たちは執務室で情報を整理した。ドローンの映像を解析し、秘密基地の位置を地図にマークする。そこへ、ミナが執務質にやってきた。「レイナ隊長!中佐から無線が届いています!」「わかった」

私は短く答えると、執務室の内線をとる。「中佐殿。レイナ中尉です。」私が答えると、中佐が返答した。「レイナ中尉、4件目の拉致被害が出た。男性貴族とその息子だ。高速道路で襲撃された。一般人の被害もでてる。ニュースは今朝早く報道されてしまった。もはや情報規制など意味はない。上層部は事態の早期解決と拉致された男性の奪還を急かしてきてるぞ」

私が目を細めた。「襲撃はいつです?」

「昨日だ」中佐の声が重い。私はオスプレイがカジノ跡地を飛んだ日と一致する事にきづく。「承知しました。こちらも現時点で判明している情報をお伝えいたします。まず――」


---

 

中佐との話を終え、サヴィタとハンス、エリカがいるブリーフィングルームに来ると、ハンスが口を開いた。「レイナ。敵の基地にいる同志から情報が入った。拉致被害者たちは基地の複数の場所に散らばって集められているらしい。だが、内部までは入れない。基地の装備と敵の人数しか分からん。」

「どんな装備だ?」私が尋ねた。

「重機関銃、ロケットランチャー。訓練された兵士は50人以上、雇った傭兵、野党が+50人。被害者がどこにいるかは不明。」ハンスが淡々と答えた。

サヴィタが腕を組んだ。「おおよそ100人か。中尉。本来ならここから先は正規軍が引き継ぐべきだが、内部に本当に拉致被害者がいると確認できなければ、正規軍は動けない。レイナ、どうする?」

「……敵の基地内部に潜入して、証拠を確保しないといけないのか……内部の様子を探るしかない。拉致された人達がどんな目にあっているのかもわからない。……準備を急ごう」私が決断を下した。

「ハンス。基地の間取りはわかるか?」

「あぁ、同士が調べてくれている。」

レイナは腕を組み、これまでの事を頭で整理し、今後の動きについて作戦を練り始めた。

「よし。今から潜入作戦と、陽動作戦の計画を練るぞ。エリカ。お前は私と一緒に秘密基地に入る。他の陽動メンバーもお前が判断してメンバーを揃えろ。」


---


ブリーフィングルームの空気は重く、レイナ隊長の声が響いていた。エリカは軍服の袖をまくり、疲れた体を椅子に預けつつ、指示に耳を傾けた。潜入作戦と陽動作戦――敵の基地に拉致された被害者たちを救うため、準備が急がれていた。


「エリカ。お前は私と一緒に秘密基地に潜入する。陽動メンバーを選んで揃えろ」とレイナが鋭く告げた。エリカは「了解っス、隊長! 一緒なら心強いっス」と笑顔で応じたが、内心では「敵100人相手に潜入って、マジ緊張っスね」と少し気圧されていた。ハンスが「基地の間取りはまだ同士が調べてる。詳細は後だ」と言うので、エリカの手元にはまだ何もなかった。


---


基地の訓練場は埃っぽく、鉄と汗の匂いが漂っていた。ハンスから届いた敵基地の間取り図を手に、レイナ隊長がエリカと向き合っていた。「潜入作戦だと甘く見るな。強襲突入だ」と隊長が言い放つと、エリカは「了解っス…って、マジっスか?」と目を丸くした。レイナの目は鋭く、女ばかりの敵100人を相手にする覚悟が宿っていた。


訓練は即座に始まった。模擬基地の狭い通路で、レイナがエリカにCQBの基礎を叩き込む。「近接戦闘は一瞬で決まる。動きを止めれば死ぬぞ」と隊長が言い、エリカはライフルを構えて頷いた。壁に背をつけ、角を曲がる動作から指導が入る。「肩を出しすぎだ。敵の女兵士は訓練されてる。頭を撃ち抜かれるぞ」エリカは「うっス」と汗を拭い、姿勢を低く修正した。


次に、死角のカバーを練習した。レイナが先頭で進み、エリカが後方を警戒する。「私の右側が死角だ。お前がカバーしろ」と隊長が指示。模擬敵の人形が飛び出すと、エリカは素早く反応し、「右クリアっス!」と叫んで照準を合わせた。レイナが振り向き、「反応はいい。だが、声がでかい。敵に位置がバレる」と指摘。エリカは「マジか…気をつけますっス」と苦笑いした。二人は息を合わせ、通路を進むたびにお互いの視界を補う動きを繰り返した。


グレネードへの対処も容赦なかった。レイナが模擬グレネードを投げ、「伏せろ!」と叫ぶ。エリカが床に飛び込むと、隊長が「遅い。破片で死んでるぞ」と冷たく言う。次にグレネードが転がってきた時、エリカは素早く蹴り返し、「どうっスか!」と得意げに笑ったが、レイナは「敵が女傭兵なら、即座に撃ってくる。蹴る暇があったら隠れろ」と一蹴。エリカは「厳しすぎっス…」と呟きつつ、遮蔽物への移動を練習した。


待ち伏せへの対応も徹底された。模擬基地の部屋に突入すると、レイナが「敵は待ち伏せが得意だ。女の勘で動くな、頭を使え」と言い、エリカにドアの開け方を指導した。隊長がドアを軽く蹴り、エリカが素早く突入。「クリアっス!」と叫ぶが、レイナが「扉の裏を見ろ」と鋭く指摘。エリカが振り返ると、隠れた敵役の人形が立っていて、「うわっ、死にましたねコレ」と肩を落とした。レイナは「基地の女兵士は狡猾だ。隅々まで確認しろ」と言い、エリカは「了解っス」と扉裏チェックを習慣づけた。


訓練は数時間続き、エリカの体は汗と埃でべたついた。高度な内容に慣れない彼女は、アンニュイな気分に襲われた。「隊長、こんなの普段やってねえっスよ…疲れたっス」と内心でぼやくが、拉致被害者の顔が浮かぶ。「でも、助けるためだ。隊長についていけば絶対いけるっス」と自分を励ました。レイナの指導は厳しかったが、その背中からは確かな信頼が感じられた。


最後に実戦形式だ。レイナとエリカが模擬基地に突入し、敵役の人形を次々制圧した。レイナが「左!」と叫べば、エリカが即座にカバー。グレネードが転がれば二人で遮蔽物へ飛び込み、待ち伏せがあれば扉裏まで確認。息の合った動きに、エリカは「隊長、マジ頼りになるっス!」と笑った。レイナは無言で頷き、「準備はいいな?」と確認。エリカは「バッチリっス。敵の女どもぶっ倒すっスよ!」と気合を入れた。


訓練終了後、レイナはエリカに近づき「野党の襲撃もあったし、訓練で疲れてるだろう。作戦前に休暇を許可する。今日だけだぞ」と言い渡した。エリカは「マジっスか! 隊長、最高っス!」と声を弾ませ、敬礼した。


---


埃っぽい風の中、エリカはジープへと足を進めた。頭には敵の兵士たちの事や、臨時訓練の疲れが残っていたが、「隊長が休めって言ったんだから、楽しむっス」と決意。タコス屋「タケリア・ソフィア」の灯りを目指した。シターラ、ルナ、ソフィアとのポーカーで気を紛らわせれば、明日からの過酷な作戦に備えられるかもしれない。彼女は軍服のポケットに手を突っ込み、シティへと歩き出した。タコス屋での一時が、任務前の最後の休息になることをまだ知らずに。


---

エリカちゃん可愛い。大好き。

殺しちゃおっかな…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ