残響の争奪
はなおの剣が地面を叩き、村が揺れた。
黒い影が動き、星霊の筆の残響――淡い光の欠片が浮かぶ。おに火衆がそろばんを鳴らし、光を囲んだ。
「星霊の残響だ! これで俺が神になる!」
「ふざけんなよ!」
いちろうが筆を振り、狼が飛びかかる。だが、はなおの剣が狼を切り裂き、墨が散った。
「おおお! 生意気だな!」
ほしこがツクヨミを飛ばし、「結界、張って!」と叫ぶ。光の結界が残響を守るが、はなおの狡猾な頭が扇子を振った。
「星霊の血、目覚めな!」
残響が赤く染まり、村の地面が割れる。黒い霧が立ち上り、母ちゃんの幻影が現れた。
「いちろう……お前が弱いから……」
「何!? また幻影か!?」
ほしこやたびとも幻影に囲まれ、はなおが笑う。
「試練の残響だよ。お前らの心を砕く!」
いちろうは母ちゃんの幻影と向き合い、叫んだ。
「俺は弱くねえ! 村を助ける!」
狼が幻影を食い散らし、残響に飛びかかる。だが、はなおが剣を振り、村が崩れ始めた。
「ここで終わりだ!」
村が崩れる中、竹筒が光った。母ちゃんの声が響き、いちろうの胸が熱くなる。
「いちろう……月を信じな……」
「母ちゃん!?」
筆を振り、狼が三匹に増え、合体。超巨大な狼が残響を吞み込んだ。光が爆発し、村の地面が再生を始める。家々が形を取り戻し、神社が立ち上がる。
「おおお! 何!?」
はなおが叫び、剣を振り下ろすが、再生した村が結界を張る。ほしことたびとが援護し、はなおが吹き飛ばされた。
「次はお前らを潰す!」
村が戻り、いちろうは母ちゃんの墓に竹筒を置いた。
「母ちゃん、約束守ったよ」
ほしこが笑い、たびとが酒を手に寄ってきた。
「新入り、酒盛りだな!」
笑い声が村に響き、旅は続く。




