桜宮の門③
その時、庭園の空がガサッと揺れ、豪華な船が桜の枝を押し潰して現れた。金と赤の装飾が輝き、船首には二つの頭を持つ龍の彫刻が睨んでいる。
「おおお! さくら船、やっと会えたぞ!」
ふたご はなおだ。二つの頭が扇子を振り、狡猾な頭が冷たく笑い、豪快な頭が哄笑した。目は血走り、銀河を支配する野望が滲み出ている。
「ほし絵巻をよこせ! だが、それだけじゃ終わらねえ。星霊の筆を手にすれば、全ての星を俺の血で染め、永遠の支配者になる!」
「何!? お前、正気か!?」
はなおの船から花嵐がバーッと襲い、庭園を焦がす。焦げた花びらが風に舞い、小川が蒸発して熱風が吹き荒れた。だが、狡猾な頭が扇子を振り、赤い血が地面に滴った。
「星霊の血よ、銀河を呼び覚ませ!」
空がグニャッと歪み、銀河の星々が庭園に降り注ぐ。星嵐が地面を砕き、桜の木が軋んだ。遠くの星雲が崩れる音が響き、星々が一つ、また一つと赤く染まる。銀河の光が弱まり、闇が広がり始めた。
「フハハハハ!星嵐召喚だ! 銀河は俺の領域だ!」
「何!? 星が消えてくぞ!?」
いちろうが叫ぶと、石台の「星霊の筆」が激しく光り、庭園が震えた。桜の根がググッと動き、濃い霧が立ち上る。地面から白い光が漏れ、星霊の意志が目覚めたようだ。
「まさかこんなときに・・・!!!試練の始まりじゃ! 星霊が覚悟を試す!」
かげまるの声が響くが、はなおの狡猾な頭が扇子を掲げた。赤い血が扇子から滴り、庭園に不穏な紋様を描く。
「試練だと? 星霊ごと俺が支配する! 神奪の儀、始めな!」
船から赤い光が放たれ、庭園に血の紋様が広がった。桜の根が赤く染まり、星霊の筆が軋む。庭園の空気が重くなり、小川が血のように赤く濁った。
「これって!? 桜宮が汚されてる!?」
ほしこが叫び、ツクヨミが震えた。




