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サークルバンド
少し早めに目が覚めたのだろうか。
窓の外を見ると、赤く染まっている。朝焼けってやつか。
隆斗の立場と俺の立場のどっちもに立ったような夢だった。確か、大学四年で、歌手デビューした隆斗、一緒にフェスに出て……。
歌い手っていうのはそうさ。配信者から始まって、どんなふうにみんな音楽にハマっていくのかは分からない。顔出しをしてポップスを歌うようになる人もいれば、歌い手の道を突き進み、いわゆる「推し」と呼ばれる存在になる人。働きながら、たまにゲストボーカルでライブに出演する人、楽曲提供をする側になる人、そして、ただ消えていく人。
ぼーっとトロフィーを眺める。春高に出た時のやつ。バレーも、音楽も、全てうまくいっていたような気がする。分からないけど。そして今、自分に何が残っているのかもよく分からない。そんなことを考えながら、パンにマーガリンを塗る。
ノートパソコンを開き、ヘッドフォンをする。ストックだけ溜まっていくSSD。どこに配信するわけでもない。何も求めてない。配信したところで、全盛期の1/100くらいの再生数になるだけ。クソつまんない。
ギターを手に取って、鍵を閉め、クロスバイクで大学へと向かう。サークルバンドってやつ。




