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ループ・繰り返し・過去改編な作品

詩 果たせなかった過去改変

作者: 仲仁へび




「この願いが叶いますように」


「明るい未来が訪れますように」


 わずかな可能性にかけて


 わずかな希望を胸に宿して


 混迷の大地を離れて


 まだ明るかった光の大地へ


 過去の世界へ 私は旅立つ





 まだ平和で 穏やかだった頃の世界は


 優しくて 尊い


 光に満ち溢れていて


 恩恵のぬくもりがそこかしこから感じられる


 人々が武器を手にしなくてもいい


 誰かを疑わなくていい


「このままでいられればいいのに」


 何も壊れていなかった


 どこも荒んではいなかった


 けれど


 状況は時期に変わり


 屍の山は大量に築きあげられる





 大きな富 栄誉 権力


 大切なものはそれじゃないと


 声高にさけんで未来を変えようとしても


 耳をかさなくなっていく世界が怖い


 誰も関心をもたなくなっていく世界が怖い


「どうして皆そんな風に冷たくなってしまうの?」


 加速していく 犠牲者は増えていく


 死ななくてもよかった者達が


 傷つかなくてもよかった者達が


 この世という舞台から退場していく





「まただめだったね」


「もう一度」


「何度だって」


「変わるまで」


 また挑戦しなければならないと


 幾度も決意を繰り返し


 過去へ飛んで


 時空を超えて


 繰り返して


 悩みぬいて


 叫んで


 考えて


 訴えかける


「どうして分かってくれないの?」


「このままでは皆死んでしまうのに」





 何をやっても無駄なのだと


 そう思うのに長い時間は必要なかった


 無気力が襲う


 希望が費える


 このまま立ち上がらなければ


 膝を落としていれば


 瞳から光を消していれば


 無駄に悲しむ事はない


 無駄に辛い思いをする事はない


「世界は滅ぶ」


「きっと運命は変えられない」





 たくさんの人達を救おうとしたのは


 誰かの幸せを願っていたのは


 そんなに大それた事だった?


 ちっぽけな人間にできる事なんて


 きっと最初から限られていた?


「私を納得させる言葉は豊富で」


「諦めさせる要素だけが満ち足りていた」


 光の大地は変貌し


 混沌は訪れ


 やがて


 穢れていく


 その変化をとめられるものは


 誰もいない



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