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業火に焼かれたロストマン  作者: 六波羅朱雀
3/5

記憶の彼方を引き摺り出して

アメリカではありますが、実際とはやや異なることが多いです。

不良の物語ですので、現実と重ねると当時の政治や犯罪と重なり問題が生じるかと思ったからです。あと書くのが難しいからです。


私らしさ全開の物語ですので、楽しんで書きます!


立ち止まっていると怪しまれてしまう。

おれはひとまずその場を離れてとぼとぼと歩き出した。

同時に、記憶を引き摺り出す。


ここは、アメリカ合衆国。

時代は、確かこの頃は、戦争中だったか、ちょうど戦争が終わったところだったか。いいや、戦争がない時などなかったか。


自分の姿はくたびれた白いシャツと、同じくくたびれたブラウンのズボン。

髪は金とも茶ともいえぬ色で、やや癖っ毛。いや、これはただボサボサなだけか。最後に風呂に入ったのはいつ頃なのだろうか。


貧困の中で育ったというのにどういうわけか身長だけは高い。栄養がないのに伸びたのは、遺伝だろうか。


「ま、親父の顔は知らねぇけどな」


昔は親父がいないことを気にしていたけれど、途中から気にしなくなった。それがいいことかは分からない。

気にしなくなった理由はグレたせいなのだから。

体格が良くなってからは喧嘩を売られるようになって、次第に不良とつるむようになった。

そして、不良の奴らはおれと同じで母子家庭だの父子家庭だのが多かったから、話しやすかった。


歩き続ければ、やがて大通りに出た。

見上げれば、見事な曇り空だ。雨は降らないが晴れもしない。太陽は見えず、まるでお先真っ暗なおれの未来を示しているかのようでもあった。


「さて、どうするか」


交番が近くにあるはずだ。しかし、この時代のおれは酷い不良だった気がする。片足を犯罪に突っ込んでいる状態だったはず。となると、交番に近づくのは嫌だな。


大通り沿いをふらふらしていると、掲示板が見えた。

この地区の簡単な地図が貼ってある。


「ええっとぉ……?」


天気が悪くなってきたこともあってか、人通りは少ない。

好都合だ。

おれは地図を見た。


「ここが今ここだからぁ……あっちがアパートか」


ついでに、掲示板に貼られたプリントを見る。

この掲示板は地区の人が好きに使っていいから、いろんな情報を一度に見ることができる。


「飼い猫が行方不明……他所でも飼い犬が行方不明? どーでもいいな、おれには」


誰でも貼れる分、興味のない情報も多い。


「麻薬取引を発見した者はすぐに警察署まで、か。多いもんな、この地区は」


何せ治安の悪い場所だ。すぐ隣の地区は半分スラム街みたいな場所だし。富裕層と貧困層の差が激しい。

おれみたいなのは、犯罪に走らなきゃ生きていけない。


「警察官一名行方不明……物騒だな」


何か忘れている気がする。

おれの人生はあまりにも行き当たりばったりで、物事をきちんと記憶していないんだ。

確か、この時期、何かが……あったような……気がするんだが……。


「飲酒を制限すべき? ああ、いつの時代も酒とタバコは悪者扱いだったか」


他には何もないようだ。

夜までに家へ帰るべく、おれはアパートを目指して再び歩き始めた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけたら嬉しいです!!

ブックマーク及びいいね等お待ちしています。


他作品もぜひ。

六波羅朱雀をどうぞよろしくお願いします。

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