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我が校生徒会の熱い戦い

 俺と会長を五人の男女が囲む。

 五人のうち肩までの黒いつやつやとしたすごく美しい方が一歩前に出る。

「久しぶりね。愛しのエスパーちゃん」

「ひぃぃ! 近寄らないでください! 触らないでください! jkjsdふぁあgh;@あ」

 最後は上手く聞き取れなかった。

 美人さんが会長に抱きついている。新婚ホヤホヤの家庭でもないほどのハグだ。

 残りの四人はやれやれと肩をすくめて、俺に近づく。

 一人目は男。イケメン。ナルシストのオーラがプンプンする。

 二人目は女。会長はけっこう小さい人だが、会長なんかよりももっと小さい。髪形はボブ。

 三人目。目も合わせたくない奴。世界で一番青春をたのしんでそう。

 四人目。女。ツインテールでつり目。苦手なタイプ。

「やあ。君はこの学校の生徒会役員かい?」

 ナルシが聞いてきた。

「みたことねー顔だな。新入りか?」

 青春野郎が聞いてきた。

 どうやら、こいつらもけっこう馬鹿馬鹿しい奴らなのか。どうでもいいことしか聞いてこない。

「かいちょの間男かもですー」

 信じられない単語が出てきた。フロムボブ。

「ちょ、ちょっと皆勝手な推測はやめてあげなよー」

 ちなみにこれはつり目がいったセリフだ。

 ん?

「会長がいうならしかたないなあ」

「もー会長冗談だっつーの」

「ごめなさーい」

 んん?

 俺はてっきり黒髪美人が会長かと…それかナルシが会長だと…。

 しかもこのつり目ものすごい大人しい性格では。

「とーせんしゃさーん」

 ボロボロになった姿で会長がやってきた。

 その後ろには黒髪美人さんがいた。

「か、会長こいつらはいったい…」

「K校の変態トップファイブです」

 何故だろう。生徒会の奴らだって分かってるのにすごい納得してしまう。

「ち、ちがうよ! 私変態じゃないもん! 勝手なこといわないでよー」

 K校の会長さん(略してK子さん)は叫ぶ。

「ええ、会長にはかないません」

「はい」

「うん」

「ああ」

 四人は頷く。

 K子さんはうなだれる。

 そのときだ。

 ああなんというデジャヴ。

 誰かがナルシスト野郎に飛び膝蹴りをいれた。

 女子だ。黒く長い髪を一つに束ねている。気の強そうな顔をしているがなかなか可愛らしい。

 うん。副会長。相変わらず元気だね。

「悪い。こけたら当たってしまった。悪気があったわけではないのだ」

 前と全く同じ言葉。

 工夫が感じられない。よって五点。

「メガネも連れてきてやったぞ」

 副会長に引っ張られて連れてこられたメガネ君。…可愛そうに。

「こっちは四人」

「そっちは五人(内一人肉体的ダメージ、内一人精神的ダメージ)」

 おお、なかなかの名勝負では。

「ちょっと待ったぁ! エスパーちゃんはこっちのものだ!」

 いや、それ会長ですから。一応生徒の中で一番偉い人ですから。

 黒髪美人は会長を離そうとはしない。

 まいったな。

 そのときメガネが動いた。

「会長を離して」

 黒髪美人は高笑いをする。

「誰が離すものか」

「じゃあ…」

 そう言ってメガネ君は黒髪美人をじっと見る。

「今までに一番怖かったホラー小説を読んであげよう」

 そう言って目をつぶる。

「最初はただの勘違いだ…」「やめろー!」

 黒髪美人が半狂乱になりながらメガネ君の襟元を掴む。

 その隙をねらって会長が逃げてきた。

 おお、策士。

「あ!エスパーちゃんが」

 メガネ君を掴んでた手を離す。

 メガネ君も逃げてきた。

 ふむ、勝てるかな?

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