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闘神降臨  作者: 立花 優
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第6章 病院の跡継ぎ

第6章 病院の跡継ぎ


 さて、番長とのケンカは、無事に、終わった。



 しかし、詩織ちゃんの兄が、東京の大学に戻る時、俺の母に、どうも、俺と詩織ちゃんは、深い関係になったと、こっそり話したらしい。



「光ちゃん、あの美人の詩織さんと、もう、してまったと聞いたけど、避妊は大丈夫でしょうね?」



「ああ、ああ……」と、曖昧な返事しか出来ない。何しろ、未だ、キスすらしてないのに、そもそも詩織ちゃんは、何で、あんな嘘をついたのだろう。兄の応援を頼みたかったのか?



 しかし俺の母親は、上機嫌で、

「奥手だと思っていたら、よく手を出した。偉い!ともかく、あんな良い子は、そうそういないんだから、これからも大事にしなくちゃね」と、一人、舞い上がっている。



 確かに母の言う事は良く理解ができた。個人病院とは言え、看護師は、常時10人近くはいるのだが、中には、患者への対応が悪く、辞めてもらった人も何人もいたのだ。 母の人を見る目は、確かなのである。



 しかし、ここで、予想外の展開になって行く。



 妹のななみが、この前の不思議な現象を、科学的に研究したいので、医学部よりも理学部へ行って、次元のゆがみについて研究したいと言い始めた。



 これは、両親には、寝耳に水で、もはや医者になる事を期待できないこの俺には見切りをつけて、小学校・中学校で常に学年トップを取り続けているななみに医者になってもらい、この病院の後を継いでもらうつもりだったのだ。



 ななみほどの頭脳なら、ななみから聞いた話だが、未だ、理論物理学では解決されていない「大統一場理論」も多少の解明できるかもしれないが、しかし、そうなると、この個人病院は、父親の代で閉鎖となってしまうのだ。



 勿論、この俺が、医者になれば、この問題は、一発で解決するのだが、何人もの家庭教師が匙を投げたのである。この俺の頭では、まず、医者にはなれないだろう。



 仮に、100歩譲って、多額のお金を使って、医学部専用の予備校へ行き、医学部へ行ったとして、それで医者になれたとしても、腕が悪いヤブ医者であれば、やがて病院は、倒産してしまうのだ。医者も商売なのだ。



「なあ、ななみ。この前の現象は、兄貴のこの俺自身も不思議に思っている。ななみが興味を抱くのは、当然だ。しかし、とりあえずは、この俺に、いい考えがある」



「いい考えって?」



「ななみは、まず医学部へ進学する。そこで、いい男で絶対に医師の国家資格が受かりそうな彼氏と学生結婚をする。無論、実家が医者で無い男性とだ。

 で、学生結婚さえすれば、将来の旦那さんに、この病院を継いでもらう」



「で、私は、理学部へ編入すると言う作戦ね」



「そう、これだと、全てうまく行く」



「でも、そんなにうまく行くかしら?」



「いやいや、自分の妹を褒める訳ではないが、最近は、ななみを見て、ドキッとする事がある。結構、可愛いぞ。時々、色気も感じるしなあ。実の兄貴が、惚れるほどだから、勉強一筋で入学して来た男性など、イチコロだろう」



「でも、最大の問題は、親が了解するかしら?」



「いや、お母さんは大丈夫だ。どうも、俺と詩織ちゃんと、もう男女の仲になったと聞いても、逆に偉い、と褒めていたくらいだからなあ……まずは、母親に、この計画を吹き込んでみるよ」



「え、初めて聞いたけど、お兄ちゃん、本当にあの美人の彼女と、やっちゃったの?」



「絶対無いよ。キスすらしてないよ。多分、詩織ちゃんは、大学の空手部の兄貴を説得する理由に、あんな嘘を付いたのだろう……」



「でも、お兄ちゃんも、「大統一場理論」を良く知っていたわね」



「ななみから聞いて、ネットで検索してみた。よく分からんが、何か、究極の科学理論らしいな?」



「そ、そうなのよ。未だ世界の誰もが解明していない、だからやりがいがあるのよ」



「ああ、俺からも、まず、母親を説得して、最後は、父も説得する」



「分かった」



 こうやって、病院経営の問題は解決した。しかし、ここで問題は、ななみの言う理論物理学の研究は、旧帝大のトップの東大か京大クラスでないと、研究は難しいのだ。

 つまり、学部を編入して、大学院を出るまでの30歳ぐらいが勝負なのだ。



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