Ⅵ 期待
人工知能技術の画期的な利点とは、
従来の技術と同様に危険を防ぎ、活用できれば、
『これまで人間にしかできなかった仕事(問題解決)を
より良くできるようになる』ということです。
技術と政策は文明の両輪、二本柱であり、
ある技術水準で利害調整の政策を極めたら、
その限界を突破するための新技術導入政策が必須である、
というのが文明発展の必然的な流れであると思います。
人類は今、地球環境の限界や社会活動の複雑化、
健康水準の低下(社会的健康を含む、経年・経代的な低下)、
政策変更の要請(国際化など巨大化と、民主化など分権化)、
といった社会的な課題に直面しています。
それは、人類文明の持続可能性に関わる、
技術的政策、経済・社会政策、
人的資源(保健・教育)政策、行政管理政策という、
全ての分野における政策上の課題といえます。
人工知能(AI)を中心とする次世代技術は、
① 新素材・新エネルギーやIoTとビッグデータ処理、
知能ロボット、生物工学・生体工学、先進医療・教育など、
② 人工物・自然物間の障壁を除いて双方の持続可能性を高める、
体内環境含む自然・社会環境に優しい技術であり、
③ 富の生産(安全)と分配(投資)に加えて、
人の向上(支援)と協力(参画)も増進することにより、
④ 環境、経済、社会(人間含む)、政策の全分野で、
文明の持続的発展を可能にしてくれる技術です。
それは〝環境親和技術〟あるいは〝持続可能性技術〟
と呼びうる技術であり、
現在の社会課題、政策課題を解決するうえで
不可欠の技術だと思われます。
図:https://19084.mitemin.net/i562907/
これを生物と環境の相互作用という視点から捉えると、
人智を越えて拡大、複雑化する文明活動の自動最適化により、
人間による文明活動の自己制御を助け、
文明の持続的発展を叶える技術といえます。
地球上で文明活動の持続的発展が実現できたなら、
それを宇宙船や宇宙施設などの閉鎖系に応用すれば、
次なる文明段階である本格的な宇宙開発にも
役立てることができるでしょう。
人工知能(AI)を中心とした次世代技術と、
その開発・活用政策に期待します。