第九話
一週間程の訓練課程を経て理解出来たのは、一学年の戦闘訓練は強度は違えど戦闘の出来る体作りがメインとなっている事だろう。
考えてみれば、16歳の少年少女に対していきなり軍事演習も無いだろう。
結果、【水】資質の訓練に参加している一学年を除けば、内容に違いは無かったのである。
ってか、24時間陣地警邏を主な任務とするから24時間行進訓練とか【水】の人間は正気じゃ無い
日本だったら大問題ですがぁ!?
そう考えずにはいられないのだ。
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しかし、養成校とはいえ自主教練の時間以外に技の研究に取り組む時間が無いのが困ったところだ。
「さて、【雷】を放出しての攻撃手段は空気の干渉によってうまくいかないということは現代科学をもとにして考えると、【雷】の魔術は電子に干渉して操作する“操作系”の魔術なんだなぁ
電子への干渉ができるのかどうかを含めて検証するとはいえ、まずは戦闘用の武器の製作からだな!
そのためにも耐熱に優れた絶縁素材を探さないと行けないし、導体側にも熱で変形しにくい素材の製作が急務だな。
遊撃部隊なんかで直接ドツキあうのは性に合わないしね。」
妄想に没頭しながらも実現の手段を考えながらニヤつく俺が、妄想変態王子の異名をつけられてしまった瞬間だった。
さて、武器の話だが、【雷】の魔術を取り入れて使用するタイプで想定している。目標とするのは“なんちゃってビリビリ人間”だ。
銃型で遠距離用のものと近距離用のものを用意したいが、着校して二か月目の校外行軍訓練までに用意をしておきたい関係上、まずは近距離用に限定して設計と試作型の導入を目指したいところだ。
幸いにも制作に協力してくれそうな鍛冶師のあては二週間の訓練の合間を使って目途をつけてあるから早々に取り掛からなければ!
小隊長と同じになってしまう。