爆心地、白髪に戦闘狂
うわー。凄いや。ユニークが一万を突破したよ。作者にしてみれば快挙だね。味気ない淡々とした文章だけど、本当は飛び上がるくらいに嬉しいんですね。何か良く分からん展開が多いけど、これからもよろしくお願いいたします。
変幻自在に形を変え、燃え続ける炎。木々に飛び火したのか、辺りはかなり明るい。爆心地は見る影もなく、馬車も地面も吹き飛んでいた。
俺は呆然とそちらを見ながら呟く。
「依頼人……」
そう、依頼人が死んだ今、この仕事は失敗なのだ。
煙は風と共に消え去る。視界がはっきりしても、人影は見えなかった。
やはり、全員が死んでいたのだ。
思った直後、向こうからよろよろと歩いてくる者が見えた。白髪が印象的な、あの青年……。
青年は肩を押さえ、口から血を地面に吐いた。もちろん、口にたまった血を自らの意思で吐いたのだ。
「やあ、災難だ」
「そう……」
俺は心ここにあらずで答えた。思考にどっぷりはまっているからだ。
これからどうする? 視覚情報で俺が逃げた事を知っている相手はもちろん俺を殺しに来るだろう。
ふと青年を見ると、彼は獰猛な笑みを作っていた。狂気染みた、狂った笑みを。
「ははっ。面白いねー。凄く面白いよ! 君もそう思うだろ?」
思わない。決して思わないです。間違いない、こいつは生粋の戦闘狂。それも、最上級の。
ここは話を合わせようと、俺は首を縦に振った。
「ああ。ところで、これで終わりじゃないよな? やられっぱなしじゃ、興が削がれる」
「ああ、ああ! 全くその通りだよ! 早く殺しに行こうか、獲物を」
冷静な判断力を失ったバカ。俺はもしかしたら、人を操る術に長けているのかもしれない。