仕事、俺の逃げ足
花粉症です。書く気が全く起きない……。だから、多分文章がめちゃくちゃになってます。
暗い夜道。周りは木々に囲まれ、ざわざわと音を立てている。複数の足音と馬車の音だけが辺りに響き、俺は緊張した雰囲気に顔をしかめた。
俺は今、最後の仕事に来ている。貴族の護衛、その名目。あのジジイが何か掴んでいるという事は分かるが、貴族の態度からも分かる。
依頼人は古くからある貴族の者で、ブクブクと太った、絵に書いたような貴族だった。卑しい笑み、ブクブクした体格、趣味の悪いキラキラアクセサリー。ある意味俺は感動したね。
その依頼人、俺から見ても態度がおかしかった。何かに怯えているようなかんじ。俺の他には護衛は六人、誰もが貴族の態度に疑問を感じているだろう。
俺は馬車の右隣に歩き、反対側にはもう一人、後ろに一人、進行方向に一人、貴族のいる馬車の中に二人が入っている。
しかし、この森は怖いな。人がいないし、虫の鳴き声も聞こえない。あるのは俺達が発している音だけ。
いや、ビビってる訳じゃ無いよ? ただ、ちょっとだけ、ほんのちょっと何かが出そうだな、と。
その時、森のざわめきは増した。バサバサと草の擦れる音に、俺は体をビクッと震わせる。違う違う、怖いからじゃないから。
俺は辺りを慎重に警戒しながら歩く。大丈夫、大丈夫、何も出ないから。ほら、何か出ても皆がいるじゃん。怖い訳無いよ、俺は怖くない。……まあ、自己暗示だ。
ああ、やっぱり魔石持ってきた方が良かったかな? あ……。
今やっとジジイの思惑に気づいた。気づいてしまった。
冷や汗が流れる。口元がヒクヒクと動き、鳥肌が出てきた。おそらくあのジジイは何が出るか大体の予想はついていたんだ。そして、その何かは強い。だから俺に魔石をプレゼントした……辻褄が合ってしまう。
ちょっ、まじで? いやでも、こっちは手練れが俺を抜いて五人いるわけだからさ、だから大丈夫だよね。心配ないよね、何か合ったら全力で逃げてもいいよね。
そうだよ、何かあったら全力で逃げればいいんだ。逃げ足には自信があるし、後の五人が頑張ってくれるからね。
いやでも待てよ、すぐに逃げてはダメだよな。危なくなったら逃げる。よし、これでいこう。他の奴の命なんかこっちは知ったこっちゃ無いから。
さて、俺の予想は外れるか、当たるか……できれば外れてくれ。何事もなく、穏便に、だ。