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忠告、愉快な犬

 なんかもう色々と間違ってるよね。魔法師団とは、戦争における『兵器』の役割を担っている。十の部隊に別れ、それぞれ優劣は無く特徴によって変わる。


 第一部隊、これは魔法師団において最大火力を誇る、超攻撃型の部隊。しかもこの少年はそこの隊長と言ったよね。


 まず、魔法師団に入るにはそれなりの家柄と、卓越した魔法の実力と才能が必要だ。この国の魔法使いにとって憧れの存在、それが魔法師団なのだ。


 目の前の少年が……。


「これはまた面白い……貴様、人の道を踏み外したか。やはり兄弟だな」


 うるさい、色々と間違ってるガキ。けど、こいつは気になる発言をした。やはり兄弟? どういう事だ。


「貴様の弟だったか? まあ、勇者は完全に人の道を踏み外したといえる。我らと同じ、血塗れた道に来た。……しかし、貴様からは違う匂いがするな。アイツの匂いはまだ清々しい、澄んだもの。はっ! 貴様からは禍々しさしか感じのだが、気のせいか?」


「じゃあ、危険なモノになる前に殺す?」


「ハハハハ! 愉快で、腹の立つ小僧だ。貴様が何をするか、今の立ち位置で見守るさ。殺しはせん」


「国の犬が……」


 俺は笑い声を上げる相手に、ボソッと呟いた。


 だが、それを聞き付けた相手は少し眉をひそめる。


「その言い方はいささか問題がある。外では気を付けた方がいいな」


 というか、こいつは何をしにきたんだ? そもそもこんなタイミングで、こんな場所に魔法師団第一部隊隊長がいるなんて、あり得ない。何かすっげぇ意図的なものが感じられる。


「まあ、貴様が我らに牙を剥けば、我らは存分に相手をしてやる。そう、存分にな」


 そう言って立ち去っていく少年。いったい何しに来たんだ……。突然現れて、意味不明な事を言い出し、年上の俺を小僧と言うし、もう訳が分からん。確かに、順也を知っているという事は、国に関係している。つまり、魔法師団というのは嘘ではないのかも。


 しかしな、匂いで人を判別出来るのか、あいつは。まるで犬。

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