表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/43

挨拶、バイバイの気まずさ

 今ある手持ちが約100万。その内、仕事の準備で使うのが30万ほど。そして、残りはなるべく目的の為に使いたい。50万はさすがに、ねえ?


 一瞬、狸ジジイからもらった魔石を売ってしまおうかと考えたが、やはりなんていうか、それはダメでしょ、人として。


「うーん、やっぱりいいや。確かに手が出ない」


 情報を買ったとしても、まず必要のある情報じゃなかったら、かなり厳しい。リンナさん、情報屋としては二流もいいとこだからな。


「そうかい。で、次の仕事は?」


 そうだ、言い忘れていた。俺がこの国を去る事、もう会う事も無いって事。


「リンナさん、実はこの仕事が終わり次第、俺はこの国を出るつもりなんだ。ちょっとはずせない用事があってね。次会えるかどうかも分からない」


 その言葉を聞いた瞬間、リンナさんは目を見開き、驚きの声を上げた。


「ちょ、ちょっとかなり急すぐるんじゃないかい!? いきなりもう会えないみたいな事言われても、こっちは納得出来ないよ!」


「いや、まあ……言い忘れていた俺も悪いんですがね。っていうか、これはもう決定事項。変えるつもりはありません」


「だからといって……」


 気持ちは分かる。一年間、一週間に何度も顔を合わせていた人がいなくなる、まあ結構辛いもんがあるね。


 でも、関係無い。順也を捨てた時点で俺は進むしか無いって決めた。他人など関係無いんだ。


「…………」


「じゃあリンナさん、おやすみ」


 黙りこくったリンナさんから放たれる空気に耐えきれなくなった俺は、そそくさと店を後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ