召喚
初投稿の連載です。稚拙な文章、矛盾だらけのストーリー構成、無知な作者を許せる人だけがこれを読んでやってください。はっきりいって、許せない人が見たら、まじで殺したくなると思います。
あり得ない事は起きる。
どんなに、あり得ないと自分で思っている事があっても、それは間違いなく起きる可能性を秘めている。
あり得ない事は無いんだ。
俺がそう思うのにも、訳がある。
もちろん、数分前まではあり得ない事はあり得ない、ときちんと分別はあったし、異世界なんかも魔法なんかも、象徴的なものは有れど、実際に魔法で炎を出すとか、バリバリ文明の違う異世界といっても過言では無い場所は無いと思っていた。
だけど、数分前の自分に言ってやりたい。
あり得ない事などないんだ。
今、俺が直面している状況はまさしくあり得ないと思っていた事で、あってはならない、とも思っていた事。
周りを見渡せば、それはもう俺にとってあり得ないと思っていたものばかりがふんだんに使われている。
下は赤い、いかにも高級感溢れる絨毯に俺達がいる場所はなぜか訳の分からん模様が書いており、壁は金色の、素材も分からん、とりあえずきらびやかな石だ。
俺の家の、二倍はあるであろう、50畳くらいの、イカれた空間。
俺達は部屋の中心くらいに居て、右左どっちも屈強そうで、精悍な顔つきの銀色の鎧を着た、コスプレ野郎共。
後ろにはこれまたデカイ、ドアっていうより門のような出入口らしきものがある。
俺達の目の前には、なぜか絵本の中から飛び出してきたような厳めしい王様と、美しいお姫様……というより、お妃様がいた。
俺の横ではポカン、と締まりの無い表情をしている弟の順也がいる。
訳の分からない空間の観察は完了したところで、説明もしてくれない驚きの表情をしている周りの人物を尻目に、俺は状況を考える事にする。
俺が予想する展開は、俺達は異世界に召喚された、もしくはこれは俺の妄想が産み出した夢だ。
しかし、夢ではないということは、先ほど行った頬をつねるというポピュラーな方法で、確かめている。
したがってこれは夢ではなく現実という事になるが、そこで問題になるのが、これからの事。
今俺達が直面しているこの、ファンタジー的な展開を予想するに、(これは俺の勝手なイメージだが)勇者になれだとか、この世界を救ってくれだとかいうものだ。
と、そこまで考えて俺は恐ろしくなった。
自分の適応力の高さと、異常なまでの冷静な思考が。
おそらく俺はどうかしているのだろう。
どうでしたか?と、いってもまだ一話目。気長に待っていてください。