表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルビーアイ princess momoka  作者: アゲハ
2章 カタストロフィ
PR
49/308

49話 バトル再開

私は走る、サイカの元


振り上げた右拳を彼女に放つが、(かわ)される


そのまま右手に創った紫の刀を横薙ぎに振り切るが、ソレも()せて躱すサイカ


即座に振り上げた彼女の手、(まわ)るトンファーを横に躱す私




()()()()()()()という事実




圧倒的不利の状況で致死の一撃だけは避ける為、深追いしない攻めを繰り返した


あくまでも()()()()()()()()()バトル・スタイル


そんな中、互いに前へ出た私は一瞬のタイミングを逃す事無く、両手で彼女の()()()()()()()


一気に捻り上げようと試みるが、(うま)くいかない




エリカさんを誉めていたサイカだって中々のフィジカルだ……


先読みの能力がハンパないにも関わらず、全体的なガードが堅い




だが、攻撃の要となっている両手のトンファーは封じただろう


ココから出来うる限りの攻めに転じるべきだ




が……




突如、()()()()()




彼女の手首を掴み、安心した私を襲ったのはサイカの右肘(みぎひじ)


軸にした手首から、逆に捻り上げられ叩き込まれる




そうか……


私は彼女の両腕を掴めた訳じゃ無い


彼女がこの()()()()()()()()()のか!




焦りよりも早く、回避に移った私だが、それでも軽い()()()()は否めない



そして再び構えた私、その視界


ソコには()()()()()()()()





え? 何の、誰の血!?


(いつ)っっっ!





疑問と痛みが同時に襲う


捉えた血


噴き出す先




私の右腕からプシュっと噴いた血は、その後ボトボトと地に垂れた




そんな……


相手は()()()()()なのよ!?


打撃主体の武器でしょ!?




信じられない


何か、考えが甘かったというの!?




実際、()()()()()()()()()




トンファーは、廻転と、それから生まれる打撃だと思っていた


実際、それ自体は本来の形であり、間違いは無い



だが、彼女のトンファーは想像と、当たり前という固執した知識や概念を超えていた




肘から拳先までを沿っていた棒


その先から、()()()()()()()()が光っていたのだ




仕込み刀の…… トンファー!?




最悪の状況だ




トンファーに備わっている、叩くと守る


それに付け加え、《斬る》まで持ち合わせているとは……


そして長いリーチ……




「素晴らしいですわよ、桃花さん…… この子達の本来の姿、()()()()()までお見せする事になろうとは♪」



「痛っっ…… クッ! 仕込み廻転刀だったんですね…… トンファーだと思っていた私の思い違いでしたよ……」



「勘違いは誰にでもありましてよ♪」



「勘違いというか…… 巧く隠されたってのが正しそうですけどね……」



「ウフフッ♪ でも、貴方のタフさも中々ですわね」



「まぁね…… 貴方と違って私は独りで戦えるほど強くない…… 頼れる仲間が心に棲んでるから頑張れるの♪ 今だって斬られたトコはすんごく痛いけど、仲間が(ヒール)してくれている」



「5匹の獣さんですわね?」




彼女の質問に、私の表情が歪んだ




「ソレなんだけどさ、私の中には確かに()()()()()()()()()んだけど……」



「らしい?」



「うん、私が生み出した訳じゃ無い…… 淡い記憶しか無いけど、昔、なんか大きな事をやらかしちゃって心の奥底に封じ込めちゃったみたい…… 私の家の裏山に在る特訓場も粉砕した…… 何が起きたかは解らないし、今では思い出せない」



「みたい? どなたかの言葉ですの?」



「表面に出てこれる4匹が教えてくれたの…… でも、それ以上は思い出さない方が良いって言って…… 聞いても教えてくれない…… 山を粉砕したのは5匹目だって…… アレは()()()()()()()だから今の4匹が私の中に閉じ込めたらしいの」



「なるほど…… 後悔の記憶すらも封じたようですわね」



「本当に解らないの…… 5匹目が…… 多分、本当に居る事しか思い出せない…… うろ覚えだけど…… 名前は…… ()()だったような……?」



「そうでしたのね…… では……」



「では?」



「5匹目が見たくなりましたわ♪」



「そうしてあげたいのは山々だけど…… 私にはその(すべ)が無いから無理よ」



「なら、解りやすくて良いですわ♪」



「解りやすい?」



()()()()に御登場頂きます♪」



「貴方って人は……」




私の呆れた言葉を聞くか聞かないかの瞬間だった


両腕を沿って高速廻転させた刃付きのトンファーがヒュンヒュン風斬る



そして一気に私に詰め寄った



マズい!



態勢が整ってない!



呆れた会話の直後を狙われた!




跳び寄るサイカ


防御姿勢に入る私




振り上げた私の腕に、ほのかな紫色の光が輝く


クロが生み出したラピスのシールド、高密度ジェル障壁




ソコに廻転した刃が突き刺さり、急激にそのスピードを緩めたが……



彼女の本命、もう1本の廻転刀が私の首に向けられた




今から首にシールドを生み出しても遅い!


生み出したばかりの薄い盾じゃ防ぎきれない!


今は避けるしか……





一気にその場から瞬時に飛び退く私の背中からドンと音が鳴り、体勢が崩れた


当たったのは壁、部屋の壁面だった




え!?


逃げ場が無い!


空間把握を読み間違えたの!?


そのまま廻転刀を振り上げたサイカが襲う




私は感覚、全てで悟った




負けた


そして、終わった…… と




こんな所で私の一生が……




この人、強すぎるよ……







遠のく意識


だが、その中でも妙に鋭敏な感覚


走馬燈の様に巡る記憶






痛覚


ソレは自己を守る為の絶対的防御感覚だ


危険を知り、その後の危険を避ける為のモノ




気絶


ソレは、その後の自分に訪れると決定された物事から、目を逸らし、感覚を遮断する防御行動




そう……




私は、気絶…… 《しそう》だった




ソウならなかったのは、脳裏を過ぎった《泉ばあちゃん》


彼女が言ったんだ、幼い日の私に……


イッちゃんでは無く、私に言った


《世界を頼むと》




その願いが、私を気絶から救った




だが、気絶しなかっただけの事




目の前まで襲いかかるサイカの廻転刀


ソレを視線が捉えた時、改めて死を覚悟した




私は、ココで死ぬ


見知らぬ異界の地で死ぬ


この身を、体を地球に戻すことも無く死ぬのだろう



誰にも、親にも……


イッちゃんにも……


()()()にも見せること無く死ぬ




ああ……


ひなことは縁が切れてたんだっけな……




やっぱ無理だ


ひなこに、会いたい……


友達で居たい





死ねない


死にたくない


まだ……


私には()り残した事がある




でも、もう……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ