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ルビーアイ princess momoka  作者: アゲハ
2章 カタストロフィ
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13話 私達の物語

サンドバギーに揺られ道無き道、砂の海の航海



後方に砂塵を巻き上げ、かなりの速度で走行している事が解る



何よりオープン・カーだからこその気持ちの良い風を感じながら私は空を見上げていた




【僕等も出て良いかニャ?】



「うん、良いよ♪」




私の意識へ問い掛けられた時、その言葉に了承を告げる




【ニャった♪】




そう言ったシロを始めとする彼等は助手席に所狭しと姿を現した



紫色のミドリ亀、猫、蛇、そしてセキセイインコ




【門番さんかぁ…… ニャんか不思議な人達だったニャ……】



【そうっピね……】



【でも何か色々隠してる雰囲気だったッシャ】



【確かに…… 何か…… 隠してる】



「良いのよ、皆…… 彼等には隠さなきゃいけない事情があるはずだから」



【へー? 桃様は事情を知ってるニャ?】



「うん♪」



【おー♪ 聞かせて欲しいニャ!】




私は窓枠に肘を当て、向けた掌で頬杖をつく




「シロなら解ると思うよ? 私の意識に1番リンクしやすいからさ」



【どゆことニャ?】



「あの門番さん達の言葉よ……」




私は真っ直ぐ進む先に目を向けたまま、彼等に感じたままを話した






神様である、加藤さんの弟子


門番Bが言っていた咲子ばあちゃんの事、そしてその愛情


私が咲子ばあちゃんの曾孫である事を知っていた


私は一度も名乗っていないのに、桃花という名前までも知っていた




何より、双子の米国人


そして今乗っているサンドバギーは自分達で創ったと言っていたのは私にとって印象深い


そんな発展は無いと言っていたにも関わらず創ることが出来る力と知識


それは創造の眼、サファイア・アイかディープサファイア・アイを所持していると推測出来る





この世界だってそうだ


平面世界である事を《面白い世界》と……


このカタストロフィで生まれ、ずっとココに居るなら平面世界が当たり前で、逆に私達が住む球体の星を面白いと言うはず




それに何より……




私に《お祖父ちゃん》と言ってくれって……


その権利が有るって……






だからあまりにも合致しすぎていてその結論に至ったんだ







【桃様…… 門番さん達って、まさかニャけど……】



「さすがに解ったっしょ?」



【うん、解ったニャ……】



【誰ッピ!?】

【誰だッシャ!?】

【だ…… れ……?】




一気に捲し立てるシロ以外の3匹


彼等にシロは向き直り、私の代わりに話した




【桃様の言った事を統合すればニャ…… 桃様の《曾祖父様》ニャ♪】



【マジッピ!?】

【本気ッシャ!?】

【マ…… ジ…… か……】



【真実ニャ♪ そういえば門番Bさんを門番Aさんが時折()()()って言い掛けてたニャ…… 多分ソレは《ラインフェルト》と言いたかったはずニャ】



【ソレって桃様の曾祖父様ッピ!】



【そうニャ♪ それともう1つ、桃様への自己紹介まで(さかのぼ)れば、最初に名前を教えてくれた《門番B》さんは自分の事を《門番A》と呼んでも良かったハズなのニャ……】



【つまり…… どういう事ッシャ!?】



【うん…… つまりは門番さん達は双子で、最初に紹介された門番Bさんはラインフェルト様…… ラインフェルトお祖父様はアーサーお祖父様の《弟》ニャ! だからお兄様のアーサー様に《A》、先って意味を譲ったのニャ♪】



【なる…… ほど……】



【ただニャ…… 何で歳取った姿では(ニャ)く、()()姿()ニャのかだけは僕にも不明ニャけどね……】




私の言いたい事を全て(つつが)無く話してくれたシロ


納得出来た3匹はうんうんと頷く




そんな姿を見て、私は彼等に言った




「ねぇ皆…… 祖父ちゃん達にも私達が世界を救うって言ったよ?」



【そうッシャね♪】



「やれるね?」



【勿論だッピ!】



「もう異世界だ…… この世界を救うまで戻れないよ?」



【臨む…… ところ……】



「そっか…… 良いねぇ…… 大好きだよ、アンタ達♪」



【僕等はいつまでも桃様に付いて行くニャ♪】



「オーケー! やってやろーか! うん…… 始まるんだ…… コレから、ココから♪」



【何がッピ?】

【何がッシャ?】

【つま…… り……?】




私は4匹に目を向ける


彼等はキョトンとしていた


理解して居無いんだ


それでも良い


私だけは心が整っている


だから皆に告げた




「私達の物語が始まるのよ♪」


と!

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